第7話 姉妹

「おはよう!ともき」朝、教室に着くとはるなが話しかけてきた。

「おはよう!今日もはるなは元気だね」

「そりゃ、ともきには感謝してるからさ!」

「感謝?僕、はるなに感謝されるようなこと何かしたかな?」

「あたしをお姉ちゃんと会わせてくれたでしょ?」

「なんだ、そのことか!気にしなくていいぞ」

「分かってるよ!ただお礼が言いたかっただけ!これからもお姉ちゃんをよろしくね!」

「あぁ!まかせておけ!」

「はるなは椎名さんのどんなとこ好きなんの?」

「なんで今日は苗字呼びなの?」

「学校にいる時は名前でよばないようにしてるんだよ!」

「ともきさ、ほんとにそれでいいの?」

「どういうこと?」

「下の名前で呼びたくないのかってことよ」

「そりゃ、呼びたいけどもみじに迷惑はかけれない」

「あんた、お姉ちゃんのこと好きなのよね?」

「はるな、なんでそのことを!?」

「あんたを見れば分かるわよ!いい?人間ね好きな人に名前呼ばれると嬉しいもんなのよ!ともかく学校でも名前呼んであげなさい」

「分かった!」

「分かったなら行く!」はい!と返事をして僕はもみじを探しに行くため教室を出た。

「まったく!手がかかるんだからあいつは」

「あの、椎名さん!いや、もみじ!」

「なに?相澤さん」

「実は、僕!学校でも椎名さんのこと名前で呼びたいんだ!ダメかな?」

「ダメじゃないよ!ただ人前だと恥ずかしいから2人だけの時だけでもいい?名前呼び」

「もちろん!ありがとう」

「こちらこそありがとう!ともきはお昼ご飯食べた?」

「まだかな」

「良かったら一緒に食べない?」

「もちろん!」2人だけのお昼の時間はあっという間に過ぎていった。

「今日は一緒に帰れそう?」

「ごめんね。今日は妹と帰るって決めてるの」

「はるなと一緒に帰るんだね!」

「えぇ、久しぶりに会えたから話したいこともいっぱいあって!」

「そっか!ならまた今度一緒に帰ってくれる?」

「もちろんよ!」

「また今度、一緒に帰りましょ!」

「じゃあ、またね」

「また!」そう言って僕は教室に戻った。

「ともき、お姉ちゃんのことは名前で呼べた?」

「うん!ありがとう、はるな!君のおかげだよ!」

「そんなに大したことしてないわよ!あたしはただあの時の借りを返しただけだから!」

「そうか!そうだとしても、はるなには感謝してるよ!本当にありがとう」

「そんなことより、今日も一緒に帰るんでしょ?」

「いや、今日は妹と帰るって言ってたよ!久しぶりに話したいこともあるんだろ」

「そうなのね」なんだ、お姉ちゃん優しいところもあるのね!ま、お姉ちゃんはいつも優しかったけど!

「じゃあ、またねともき!」

「あぁ!またなはるな」僕とはるなは挨拶を交わしてから解散した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る