第6話 デート

7月14日土曜日。僕と天使様こと椎名さんはカエデモールに買い物に行く約束をしていた日だ。

「すみません!相澤さん。遅くなってしまって!待たせてしまいましたか?」

「僕も今来たところだよ」

「そうですか!時間通りですね」

「うん!あとお願いあるんだけどいいかな?」

「なんですか?」

「いや、その!2人の時くらいタメで話したいなって思って」

「タメ口ということですか?」

「うん、タメ口で話したい!ダメかな?」

「ダメじゃないですよ、私もそろそろ敬語やめたいなって思ってました!あと、私からもお願いがあるんですよね」

「お願いって?」

「知り合ってだいぶ時間経ちますし、お互い下の名前で呼び合いませんか?」

「いいの?下の名前で呼んでも」

「もちろん」

「分かったよ!もみじ、ありがとうな」

「こちらこそありがとう!ともき」こうして僕たちはまた1歩仲良くなってから買い物するためにカエデモールに出発した。

「もみじは今日なにを買いに来たの?」

「私は日用品かな、洗剤とか」

「なるほどね!僕も洗剤買っておこうかな、おすすめはある?」

「そうね、こんなのはどうかな?アルエーリって言うんだけどね」

「アルエーリね!一般的で使う人は少ないみたいだけど良い匂いして気持ち良いよね」

「そうなのよ!良い匂いするの」

「ともきは洗剤何使ってるの?」

「僕は普通のやつだよ」

「そうなのね」

「それより、次はどこ見に行くの?」

「そうねぇ、実はクラスの子から一緒に海に行かないか誘われてるから水着見てみようかな」

「水着なら1人で見た方がいいよね!僕は入り口で待ってるからゆっくり見てきな!」

「ともきに選んで欲しいな」

「僕なんかが選んでいいの!?」

「うん、選んで欲しい」

「分かった!期待に応えられるように頑張る」こうして僕はもみじの水着を選ぶこととなった。女性物の水着を選んだことがないためこのエリアにいるだけでも恥ずかしいのに、もみじってもしかして僕のこと好きなのかな。思い当たる節はいくつかあるがまだ確証が得られない!

「これは似合ってる?」

「うん!とても似合ってる!素敵だよ」

「ともきありがとう!これにするね」

「もう決まったんだな」

「うん!じゃあ、お昼にしようか」

「もみじはどんなの食べたい?」

「うーん!私はお肉かな」

「いいね!僕も肉が良いな」

「肉にしましょう!」

「賛成!」こうして、モール内にある焼肉屋でお昼を済ませた。

「お腹いっぱいだね」

「ほんとにね」するとその時後ろからこえが聞こえた。

「もしかして、ともき?」その声の主は小林春菜だ。

「なにしてるの?こんなところで」タイミング悪いなぁ!今はもみじとデート中なのに!

「もしかして、デート中?どんな相手か見せてよ!」

「いや、それはーー」言い訳を考えているともみじが声を出した。

「久しぶりですね。はるなごきげんよう」その声を聞くとはるなは震え出した。

「もしかして、椎名紅葉か!?」

「えぇ、そうですよ」

「なんで、もっと早くに声掛けてくれなかったんだよ!ーー」目の前の人は急に泣き出した。

「ーー姉ちゃん!」そうか、もみじははるなのお姉さんなのか!そうかそうか、、、え!?

「あの、もみじこれはどういう」

「あぁ、ともきにはまだ言ってなかったね」

「実は私たち姉妹なのよ」

「でも、苗字が!」

「それは、父と母は離婚して私が母にはるなが父について行くことになったから苗字も違うの」

「なるほどね」

「黙っててごめんなさいね」

「いや、いいんだよ!むしろ話してくれてありがとう!妹さんなら僕も大切にしないと」

「そう言ってくれて嬉しい!」

「あのー?お2人さん?話し合いは終わりました?」

「あぁ!これからも仲良くしてなはるな」「もちろんよ!」こうして僕たちの衝撃的な買い物デートは幕を下ろしたのであった。

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