魔女の殺し方

@HANAMIHANATABA

第1話

 ある大病を患った女性の元へ魔女が現れました。魔女は女性を見つめると・・・「これは治る」、と言いました。女性に魔女は薬草を食べさせると、なんとも不思議、女性の体の痣は消え、咳も止まったのです。女性の両親は喜びました。そこにいた魔女は両親に多額の謝礼金を貰いました。だがしかし、魔女の目的はそんなものではございません。何と魔女は、女性に「自分の弟子になれ」と、言いました。この国では魔女の言うことは絶対なので、逆らうことができません。女性は魔女のことを、「自分の両親と引き離した魔女」として、憎みました。

 魔女に連れ出されて、一か月という月日が流れました。魔女は女性に薬草の採取と言い、外に追い出しました。女性は思います「いったい、私に何をさせたいのか」と。

 夕方になり戻ってくると、女性は魔女がいた部屋の窓を見ます。そこには、皮膚だけの人間の体がいくつもあったのです。女性は魔女の本性を知ると、一目差にその場から逃げ出しました。森の中に入ると、そこには、ちょうど女性を探しに来ていた魔女がいました。「お前!ここで、なにをしている?」と魔女は言うもんですから、「私は魔女様を迎えに来たんです」と、とっさに嘘をつきました。「そうかい・・・じゃあ、戻ろうか」と、魔女は女性の腕を掴み歩き出しました。

 ある日のことです。女性が住んでいた町の領主様が倒れたと魔女の耳に入りました。すぐさま魔女はほうきにのって、町に向かいました。領主は魔女が来たことを知り、「いますぐ、治してくれ!」と、魔女に頼みます。しかし魔女は、その日だけ、病気の容体は見ずに、薬だけ渡して帰っていきました。

 魔女は女性が薬草を採取している森にはいると、とても奇妙なことに気づきました。昨日採取したはずの薬草が何故か咲いているのです。「これは、おかしい」と、魔女は女性を探しました。森の中を駆け回りました。森の中でもよりいっそう暗い場所へと魔女はいました。「出てこい! 逃げるな!!」と、魔女は女性の影を見つけると追いかけた。気づけば魔女は空から落ちていた。魔女は雄たけびを上げて崖の下にある岩に激突した。

 魔女が追っていたのは幻覚でもなければ薬草の取りすぎてみていた幻でもない・・・女性だった。女性は魔女を引き寄せ、魔女を崖から突き落とすことに成功したのだ。女性は自分の荷物が置いてある、あの忌まわしい家に帰った。「おかえり」と、女性は自分の目を疑った。そう、そこにいたのは魔女本人だった。「なぜ」と、女性は疑問に思う。「それは今からわかるよ・・・」と、魔女は女性を連れてある部屋の中に入った。その部屋は不思議な魔法陣で囲まれている。魔女がしゃべりだす。「お前は、私を殺すために私の弟子となった。そして・・・」、と魔女が自分の血を一滴だけ、魔法陣にかけた。すると魔法陣は紫色に光り輝く。その瞬間。女性の体は少しだけ、軽くなった。「今度はお前が私を殺すんだ。さあ、この苦しみから救って遅れ」と、女性にナイフを持たせた魔女は、女性の前に立ち両手を広げた。女性はナイフを握りしめ、わけのわからない御託を並べている魔女をナイフで突き刺した。魔女は倒れた。その千年にも及んだ不老不死の呪縛から解き放たれたのだ。女性はこれから多くの別れを経験して、魔女と同じことをするだろう・・・。



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