第3話 「運命を変える事は可能なのか?」
その後、極近くの高校に進学して、学校の門をくぐった時、嫌な、予感がした。
どうにも勉強に向いていそうに無いこの独特の校風のダラケた雰囲気。
即、こりゃ駄目だ、と思ったねえ。
これでは、第一志望の医者には、絶対に、成れないじぇねえか。もう、医者になるのは、不可能確定である。
私は、帰宅して、即、両親に泣きついた。
まず、この高校を即辞めて、来年、再度受験して、県内の有名な公立の進学校か、国立大学付属高校普通科への進学を頼んだのだがさあ……。
だがね。
いまから、50数年以上も前、高校へ向けての浪人生等は、世間にはいないのだ。
公立高校を受験して運悪く落ちたら、滑り止めの私立高校へ行くしかなかった時代だった。
この私のような、例は、まず聞いた事が無い。
こうして、私の地獄の高校時代がスタートしたのだ。
この地獄の高校時代については、この「カクヨム」にも「小説家になろう」にも、詳しく書いて投稿したんだがね。「小説家になろう」では、わずか30数PVで、ある小説の賞の一次選考を通っている。
しかも、私の、あの地獄の高校の、卒業アルバムには、
【この暗黒の高校時代を、将来、「立花 優」と言うペンネームで、書いて発表せよ!】と、マジック・インキで、ハッキリと書いたのだが……。
その夢は、今、言ったように、「小説家になろう」では、わずか30数PVで、ある小説の賞の一次選考を通っただけで終わってしまったのだ。
せめて、その小説で何かの賞を貰っていれば、もう、これ以上、下手な小説を書く事は無かったかも知れないのだが……。
つまり、私の夢の実現は、まだまだ、完成しているとは言えないと思っている。
さて、この北陸地方では聞いた事も無い都会の私立大学に、何とか、行かせて貰えたこの私にしてみれば、この大学時代こそが、人生で与えられた最後の逆点のチャンスなのだ。
しかし、既に、自分の運の悪さに辟易していた私は、この学生時代中に、例えば、自分の将来を少しでも知る事が出来れば、もう、今までのような失敗はしないのでは無いのか?と、そう思うようになったんだな。
そして、その自分の、ひいては世界や人類の将来の、大体のこれからの粗筋を把握出来るならば、これ程、有り難い話は無いではないか?
しかし、そのような方法は、果たしてこの世に有るのだろうか?
ここで、一つの例え話として、長い航海に出発する前に、急に、今まで船中にいたネズミがいなくなったと言う話を、皆さん、聞かれた事は無いだろうか?
「イヤに、静かになったな?」と喜んでいると、航海中に船が難破したと言う話を。この話は、昔からイヤ程、聞いているのではないのか?
これは、ハッキリ言えば、たかがネズミが、数時間後、数日後の船の難破を予知していた事には、ならないのか?
この仕組みと言うか、その理屈を使えば、例えば、午後1時出発、午後1時半出発のように飛行機が空港を発つ時ような場合、うまく、その先を読み切れさえすれば、例えば、午後1時出発の飛行機が万一、墜落する事が予見可能であるならば、次の便に変更さえすれば、自分の命は助かるのでは無いのか?
ここでは、古来からの噂話を持ち出したのだが、このような噂話が、もしホントであれば、ここに突破口がある筈だと、この私は、大学時代に考えたんだよな。
で、まず、古代中国の四書五経の内の『易教』(上・下)をさっと読んでみたが、この『易教』の中心思想は、陰陽二つの元素の対立と統合により、森羅万象の変化法則を説き、人間処世上の指針・教訓の書とされる(ウイキペディアからの引用)のだが、この『易教』に書いてあるのは、50本の筮竹ではじき出された卦の解釈書なのだが、これは、巷間に良くある「タロット占い」の場合とほとんど同じで、たまたま、出た卦や絵柄による解釈なんだよなあ。
でも、私から言わすと、これは、偶然に出た、卦や絵柄からの推計である。どうにも、あまりに、偶然に左右され易いじゃない無いですか。
次に、西洋占星術も研究してみたが、いくら、生年月日や生まれた時間での上空の星座や星の位置を、尤もらしい、ホロスコープとして精密に作ってみたとしても、何百光年以上も離れた星座が、自分の人生に影響を与えていると言うのは、いくら何でも、天動説時代の名残なんだよな。
それだけ距離が離れていれば、自分の人生に影響を与える筈も無いじゃ無いか。
姓名判断も研究したが、外の国では、これも、全く通用しない筈だ。
だって、英語の名前に、姓名判断で言う、例えば「総画」(姓と名前の画数の合計数)がどうのこうのとは、どう考えても無理があるだろう。
こう言う風に、理詰めで考えて行くと、どうにも、「運命を変える事は可能か?」との、この私に疑問に対する回答がどうしても見つからないんだなあ……。
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