飴が無ければ鉛玉を舐めればいいじゃない

第1話 ごめんなさい、わざとではないのよ

1793年 10月16日 午前4時頃

マリーアントワネットに死刑判決が下った

その後アントワネットは、ルイ16世の妹エリザベート宛てに遺書を書き残した。長く美しい髪も苦なく死ねるようにと短く刈り取られていた。

馬車に乗せられ革命広場へ運ばれたアントワネットは、何万といる群衆のなか断頭台へと上げられる。

隣には死刑執行人シャルル＝アンリ・サンソンが立っていた。そして処刑直前、足取りが悪くアントワネットはサンソンの足を踏んでしまう。｢ごめんなさい、わざとではないのよ｣そう口にしながらアントワネットはおもむろに銃を取りだした。