第2話 ドライブ

「春は朝青龍」


「春は曙ね。力士違っちゃってる。あと今めっちゃ夏休み。」


「いや〜しかしもう自動運転の時代ですか。何もしてなくても車が動くって凄いね。近未来的でワクワクしちゃうよ」


「よく見て。俺今めっちゃ運転してるよ。

ハンドル握ってアクセル踏んで前方後方どっちもめっちゃ確認してるよ」


「さぁ私達は何処に行くかと申しますと!

群馬県唯一の誇り!草津温泉に向かっております!」


「いきなり誰に向かって言ってんだよ。」


「それよりも私の失礼さにつっこむべきじゃない?」


「自覚あるんだ。でも地元民からしたら事実だからね。反論する気も起きないよ。」


「私は結構好きだよ田舎。やっぱ都会の汚ったない空気吸って育ったからね。こういう所来ると浄化される。」


「山口県出身が何言ってんだよ。それ地元感じれて懐かしくなってるだけだろ。」



「今日も絶好調ですねぇ浅井くん。流石私の相方なだけはある。」



「あ、俺相方なんだ。」


「私のくだらない事にちゃんと返してくれる人ってホントに少ないの。返してくれてもなんかクリティカルじゃないっていうか、それじゃない!って思っちゃうから辛いんだよね。」


「でも君の返してくれる言葉は全部メモしたいくらい私の理想の返答で好き」


「もうプロの意識じゃん。落語とか漫才とかやったら無双するんじゃない?」


「待って!急カーブだ!キャーーーー!!!」


「ソンナニマガッテナイヤロ」


「流石だね。このスピード感で出てくるの凄い。」


「あんたが俺にm-1全部見せるからでしょ。

2016年の和牛のネタの一節やらせんなよ。なんか緊張したわ。」


「あー面白い。ちょっとお腹空いたからインターチェンジ寄ろ。」


「サービスエリアな。あそこで弁当買える訳ないだろ」


「ぶっちゃけると全然お腹空いてない。めっちゃヤニ吸いたい。」


「タバコって言って。まぁいいだろう。よし、次のサービスエリアまで飛ばすで!」


「自分で振っておいてツッコむのめっちゃ恥ずいけど一応ツッコんどくか。うちら今下道走ってるのよ。」






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