いつまでも聞いていたい

阿久澤

第1話 信号待ち

「まぁうちらも結婚して3年経つじゃん?」


「知り合って2週間だよ。真実から1番遠いウソじゃん。」


「どっか旅行とか行きたいよね」


「知り合って2週間にしては早いイベントだけどまぁいいね」


「じゃあ混浴行こう」


「あんま女性側の提案で混浴は出ないって。

せめて温泉にしてくれよ。なんで男女交わった所行きたいんだよ。」


「ちょっと人いるんだし下ネタやめて」


「そういう意味の交わるじゃねぇわエロ女」


「なんか子どもの時と今ってエロいの意味変わるよね」


「急にどうした」


「子どもの時にエロいなぁって言われるのって

その子がちんちんとかおっぱいとか下ネタをいっぱい言う子の形容詞みたいな役割じゃん?」

「でも大人になってからのエロいなぁって例えばスタイルが良いとか雰囲気とか匂いとかその物の艶やかしい状態を指す言葉になるよね」


「なんか妙に納得しちゃったわ。エロからこんな真面目な話出来るんだ。」


「まぁ冗談はさておき」


「あんたしか言ってねぇよ」


「脚がめっちゃ痛い」


「話切り替えた割に弱いねー。もっと大事な話来るんかと思って身構えちゃったじゃん恥ずかしい。」


「レディが困ってるのにその言い草はないんじゃない?サンジに怒られるよ」


「怒られてもいいわ。じゃあおんぶでもしましょうか?」


「出来るかぁ。小枝の先っぽより細いんだから」


「小枝でいいだろ」

「でも任せてよ。俺握力スズメと同じくらいあるから」


「せめて哺乳類で言って。後多分弱いな」


「まぁこんな昼間からおんぶなんて出来たとしても恥ずかしくてやりたくないな。どっか店でも寄る?」


「んーでも私これ以上あんたとの時間にお金使うのもなぁ。コスパ悪いよなぁ。」


「人との時間コスパで考えんな。あと言葉強えよ。ほんとに日本人女性?」


「ちょっと今どきそういう発言は時代に遅刻してるよ」


「俺寝坊してねぇよ」


「じゃあもういつもの所行こ。うちらの行きつけ。あそこならそんなお金かかんないし煙草吸えるし」


「何処だよそこ。今日初めて外で遊ぶやつとの間に行きつけがあってたまるか」


「なんで忘れちゃったの?デニーズだよ」


「デニーズかい」


「ほらもう信号赤だし行くよ!」


「青で行けよ」











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