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7日後に、またやってきた。人間族の彼女らが忘れずに書いているのかを私は気になっていた。
「どお? 書けてる?」
大抵の人は知らない「ダイエットの基本は「3の倍数で考える」」ことを。最初の3日間が重要で、この3日間だけであきらめてしまう人は、まず、痩せない。ダイエットをすることに向いていない。この3日間はお試し期間だから、スタート地点にすら立っていない。お試しの3日間を過ぎたら、次は6日間。その次は12日間といった具合に「3」の倍数で考えていく。1か月間(約30日)続けられたなら、3ヶ月間でも続けられる。ちなみに体重はゆっくり減らしていくのが、体が餓死状態にならずに済む。1ヶ月1kg~3kgずつを目安にじっくりゆっくりが基本である。
ダイエットで怖いのはリバウンドだけど、それよりも怖いのが「途中であきらめてしまう心」だったりする。体重は健康的に一気には落ちない。徐々に体重が減っていくが、ある日を境にピタリと減らないし、太らない期間がある。その時期を「停滞時期」と呼ぶ。停滞時期は人によりけりだが、抜けるまでに3ヶ月~3年以上もかかる。ダイエットに失敗する人は、ここであきらめてしまう。「どうせやっても痩せないや」と言い訳をして。
そもそも食事を制限するだけで体重を減らすなんて無謀である。食事を抜けば、たしかに体重は減る。だが、それは一時的なもので、リバウンドしやすい体になりやすくなっていく。痩せにくい体になる。そのことに気づかず、もしくは「あきらめ気味」で、また新しいダイエット方法に飛びつく。短期間で体重は落ちるが、体内では痩せにくい状態へと変化していくのだ。これを繰り返していくと栄養不足によるものが現代病の1つに加えられ、患者数は増えているらしい。
人間族の1人は、あまりにも食べなさすぎで体が餓死(がし)状態だと推測できた。脳が生命維持の危機を感じて、少ない食事量でできるだけ脂肪を蓄えようという命令を出しているのかも、と推理できる食事内容である。
朝食、青汁。または野菜スープ。
昼食、約600kcalの弁当、ご飯なし。ご飯は発芽玄米ご飯を持参。
夕食、ヨーグルトに黒砂糖をかける。
毎日こんな感じだと分かる。カロリーと栄養不足だ、と確信した私は試しに聞いてみた。
「貧血とか、めまいとか、疲れやすいとか、ない?」
「実は貧血気味で、疲れやすくて、夜も眠れない日が多くてー」
「んー、まずは、基礎代謝量を計算してみるね。推測だけど、一日に必要なエネルギー不足だと思うから、もしその数字以下だと、栄養不足なので、今、言った症状が出て来て、治すのに時間がかかるから気づいた時点でどうにかしないとね」
「それって治るん?」
「しっかりと3食バランスよく食べると治るよ」
基礎代謝量などを計算してくれる専用のツールがある。魔法で空中に表示させると、身長と現在の体重と年齢、日ごろの行動量を入力して「計算する」をクリックする。一覧が出てくる仕組みだ。
その一覧には標準体重、基礎代謝量、肥満度判定数値などが表示されている。ついでにハシモト病のことも調べてみる。特に食べていいものと悪いものについてだ。
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