第10話 その代償は。

戒斗が悪魔堕ちをした…。

堕天使が悪魔堕ちすることは珍しい事ではない。

天使の輪<エンジェルヘイロー>を無くし堕天の

烙印を押された時点で悪の道にはしる者もいるという。

かの堕天使ルシファーもその一人だったという。


彼の場合はそのままサタンになったとも言うが…。

戒斗も…まさか?


ボクらは天界に着いた…。

え…なんだここ…思い描いていた感じとは違った。

宮殿とかあってもっと賑やかなイメージを持っていた。


キミが…ヒロトかね?

だれだ?この老人…。

哀…すこし外してくれないか?

わかりました。


急ぎ本題に入ろう…。

まずヒロト…キミの中にいるワタシをこちらへ…。

どういうこと?


ミカエル様が目の前の老人の中へと移った途端

老人の姿だった者が凛々しい青年の姿になった…。


改めて礼と詫びを言わせてもらいたい…。

ワタシがキミたちのいう神だよ。

ミカエル様…?


そう言ってもらっても構わないよ

そして…戒斗の事は申し訳ない。

救い出す方法が1つだけある…やってみるかね?


はい!戒斗を救えるのなら!

例えそれでヒロト…キミが死ぬとしてもかね?

ボクが…死ぬ?

ワタシのチカラを与えるのだ…普通の人間では耐えきれない

だが、いまのキミなら或いは…。


光の矢を放ったのはワタシではない紛れもなく

ヒロト…キミのチカラなのだ…。

目覚めかけているのをワタシが強制的に引き出す

その代償でキミは死ぬかも知れない…ということだ。


確実に死ぬわけでは無いのですね?

運が良ければ死ぬ…悪ければ生きる…。

あの…それは逆では?

世の中には死んだ方がマシという事もあるということだよ。


それくらいツラいということか…。

でも、時間が無いんですよね?

ボクやります!!


わかった…。

ならば…こちらへ。


そうミカエル様がいうと雲が割れ光が差した。

雲の中に奥へと続く階段がありそこを進むと神殿があった…。

そこは選ばれた天使しか立ち入りが許されない場所。

いわゆる聖域…。

ボクなんかが入っていいのだろうか。

神殿に入ると儀式のようなものが行われた…。


ぐわぁぁぁぁぁ!!!!

身体が…焼ける…こ、これは…確かに…死んだ方がマシ…か…。

ボクは激痛に耐えきれず意識を失った。

そして目覚めたとき…目の前にはミカエル様ではなかった。


あなたは…?

私はミカエル様に仕えているリオンです。

良く耐えましたね…。

いや…意識失ってましたけど…。

生きているということは耐えたのですよ?


さあ…これをもって下界へ戻りなさい…。

神威…この刀は所有者を選びます。

この刀は戒斗を所有者として認めているのでヒロトには使えません。

ヒロトあなたには光の剣を与えます。

きっとチカラになってくれるでしょう…。


あの…哀は?


え…あ、哀は…。


なんだよ…哀は…どうしたんだよ?







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ボクの中の天使と悪魔 涼宮 真代 @masiro_suzumiya

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