第8話 ヒロトの覚醒!?

【神の意志を継ぐ子らに幸あれ…。】


『なんだよミカエルのおっさん急に…。』


【キミは本当にクチが悪い…仮にもワタシは大天使なのだぞ?】


『といわれても姿も見えないしなぁ…。』


ボクの中には天使と悪魔が棲んでいる…。

大天使ミカエルと上級悪魔のアスタロト。

どう考えても二人が協力するとは思えないが…。


「戒斗行くよ〜。」

「じゃあ、母さん行ってきます!」


「はい、いってらっしゃい…哀ちゃんお勉強頑張ってね~。」

「はーい!」

「うふふ…なんかイイネこういうの。」

「哀、嬉しそうだね。」

『なんか拾って食ったのか?』


「あんたと一緒にしないでよ!!」

『でも、ホント哀は昨日から変わったよな?』

「うん、ボクもそう思う。」

「え~そうかな?かわいくなった?」

『……。』

「うん、哀…可愛くなったよ特に笑顔が。」

「えへへ…ありがと~ヒロト!」


実際可愛いとは思うけど…。

戒斗は素直に彼女のことは褒めないよな…。

ちょっと微妙な気分になるのは何故だろう。



何事も無く学校には着いたが…。

いつどこから来るかわからないのは…油断できないよな。

チャイムが鳴るまで校庭で他の生徒を見てることにしたのは…良いが…。


「おはよう諸君」

「げ…会長…。」


このひとも油断できない…。


「また、げって言わなかったかね?」

『いってねえーよ?だから早くいけ』

「黒羽戒斗…キサマには言ってなーい!!」

「会長さん、おはようございます。」

「キミは…白羽哀くんだっけ…。」

「はい、よろしくお願いします。」


黒羽に白羽…自分の羽根の色から付けた苗字だろうけど良く思いついたものだと今更ながらに思った。


哀はあの可愛いさと素直さでクラスに馴染むのは早かったけど…戒斗は怖がられてたなぁ。


「ねぇ~戒斗…これからどうするの?」

『今のところ何も…だよな?ヒロト。』


キーンコーンカーンコーン…♪


今のところ確かに特に怪しい感じの人は居ない

チャイムも鳴ったし…。


「そうだね教室に入ろうか…。」

『そうだな。』


悪魔って人に取り憑くだけなのかな…。

もしかすると何か物とか例えば人形とかにも入ってる事は…ないか…。


“そんな事はないぞ?”

やっぱりあるんだ…ますます厄介だな…。

“諦めた方が良いのではないか?”

まだ始めたばかりじゃないか諦めるとか

そう言う問題じゃない。


ヒロトくん、おはよー。

「あ、宮崎さん…おはよう。」

「あ、あの…。」

「何?」

「えっと…そうそう…今度のテスト頑張ろうね!」

「あ、うん。」


今度のテスト?

あぁ…学力考査…か。


『ヒロト〜今の子だれだ?』

「宮崎さん…クラス委員だろ?」

『そう…か。』


戒斗や哀は学力考査受けるのかな?

テストのことなんか考えてないだろうな…。

ふと哀の席を見ると…思った通りクラスの女子どうし仲良くやってるようだ。


ガラガラ…。

よし、ホームルーム始めるぞ!

席に戻れ〜。


担任の小林先生…か。

取り憑かれてるのは生徒とは限らないよな。

この先生の言動は…。


「なんだ?杉澤…。」

「はい、いえ何でも…。」

「そうか…でだな…最近不審者が…。」


だよなあまりジロジロ見てると怪しいよな…。

怪しまれない様にしなきゃ…。


バシッ!

手に持っていたもので叩かれた…。


「痛ッ!!」

「聞いてるのか?杉澤…。」

「あ、すいません。」


ザワザワ…。

ちょっと…今の体罰じゃない?

だよね~。


「静かにしろ!」

「あとわかっているとは思うが来週から学力考査があるからな

勉強しとけよ。以上だ!」


「杉澤…あとで職員室来い!」

「え?あ、はい…。」


ガラガラ・・・ピシャッ!!


なに小林のやつ…。

オレ動画撮ってるぜSNSあげとく?

マジ?やっちゃおうか…。


「木村君…動画撮ったの?」

「うん…見るか?」

「ちょっと見せて…。」


ボクは木村君のスマホを見ていた…。

ん?何だこれ…もやみたいな?

“これは…ザコだな…。”


「ありがとう…職員室いってくるよSNSあげちゃダメだよ?」

「お、おう…どうしたんだヒロトのやつ…。」

「ちょっとヒロトくん!?」

『1人でいくんじゃねぇ!』


ガラガラ・・・!


小林先生に取り憑いている!!

急がなきゃ…。

ボクは教室を飛び出した…。


「どこへい~~く?杉澤…ヒ~ロトく~ん…?」


!!?

え…廊下にまだいた!?

先生じゃ…ない!?


『あぶねえ!!』


ガシッィィ!!

ズサァァ…。


「他にも来ていた…?」

『なんだ…コイツ…。』

「ちょっと…向こうからも来るんだけど…!」


【まさか…お前…。】

“あぁ?なんのことだ?”

“ヒロトの中のアンタが呼び寄せてるんだろ?”

【ワタシが…ワタシの存在が呼び寄せている??】

“相当恨まれていただろ?我が同胞に…くくく…。”

【騒ぎになるな…やむを得ない時間を我ら以外の止めよう…。】

Σταμάτα τον χρόνο!《時間よ止まれ!》


『こんなの片っ端からぶった切ってやらぁ~!!』


スチャッ!!

妖刀神威よ…我にチカラを…!!


「戒斗…そのザビザビのカタナで何する気なの?」

『これは…神様から盗んだやつだよっと!!』

スパッ!

ぎゃぁぁぁ…!!


戒斗が次々と浄化していく…。

油断していた…哀が捕まった…。

悪魔が…実体化している!?


「きゃぁぁっ!?」

「きひひ…動くな…動いたらコイツの目をくり抜くぞ?」


ヒロト!!バカ無理すんな!!!


無我夢中で飛び出していた…。

なにもチカラもないのに…。


「哀を…放せぇぇぇ~~~!!」


ガシィィ…ググッ!!


悪魔の頭をボクは掴んでいた…。

「きさま…何…を…!?」


死にたくないなら…哀を放せ…!


ボクの身体が熱くなるのを感じた…。

そして頭に浮かんだ言葉を…!


光の矢!!!《ライトアロー》

無数の光の矢が悪魔に刺さった…。

うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!

悪魔は消滅した。


そしてボクは気を失った…。

あとから戒斗から聞いた話しだと

小林先生は悪魔が姿を模写したものだった…。

本当の小林先生はトイレで気を失っていたのを

発見されたらしい…。

ボクが使えたチカラは…いったい?

ミカエルさまのもの?






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