6人目 記憶

 あなたの記憶では、実家のあなたの部屋で人生ゲームやカードゲームをやった記憶が鮮明にありました。

 女子が一名、男子が二名、そして女子の弟だった小学校低学年の子。しかし、名前と顔が思い出せない・・・・・・


 小学生時代、そこにはミカと一緒にその子たちと遊んだ記憶もあります。川沿いの高架下にその辺で拾った木材やプレハブ版の廃材で作った秘密基地。そこでお菓子をみんなで持ちより、そして子猫を親には黙って内緒で飼っていた。


 子猫の名前は「ルナ」


 当時、流行ったアニメに出てくる猫と同じ白猫だったのもあっての名づけであり、ミカとあなたの二人がその名前を付けた。

 猫の名前は憶えているのに、なぜか他の友達たちの名前が思い出せない。そして、ミカも知らないってどういうことなのか・・・・・・


 そう言えばその後、子猫のルナもどうなったのだろう・・・?




 ♫♬♪♩♫♬♪♩♫♬♪♩♫・・・・・・


「・・・はい」


「ミャー・・・ニャー、ミャー・・・・・・」

 プツッ・・・・・・


 電話口の子猫の泣き声が、なんだか遠い記憶のルナの泣き声に似ていた。


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