7,8話 まさかの提案
「え? お茶会!? いくいく、行きたいよ私!!」
私が提案したとたん、彼女はパアっと顔を明るくしてすごい速度で食いついてきた。
あまりの勢いに少し押され気味になりつつも、私は話をつなげる。
「じゃあ、週末とかどうかな?」
「いいね!! 私、一回友達とお茶会してみたかったんだよ」
「じゃあ、決まりだね」
そうしてサクサクとお茶会を週末することが決まった。
想定していたよりも簡単に決定したおかげで、心の中でガッツポーズをとる。
「……じゃあ、何飲む?」
「うーんそうだなあ……」
「―――あら、面白そうな話をしているわね。私も混ぜてくれないかしら?」
そうして、二人で週末の計画を立てていると、横から金髪の令嬢サルネが私たちに声をかけてきた。
「「……!?!??!?」」
いきなりの言葉に二人は大きな不意打ちを受ける。
さ、サルネ様?どうしてここに。しかも混ざりたいってどういうことですか?」
私が驚きを抑えて話しかけようとする前にメリーちゃんがサルネ様に話しかける。
相変わらずアワアワしているが今回は流石に気絶まで入っていないらしい。
私は落ち着いて話すために取り敢えず深呼吸をする。
「あら、いきなりで驚かせてしまったようね」
「ええ、お嬢様。だから普通に正面から話しかけるべきです」
「いいじゃない、ちょうどしたびっくりってやつよ」
「そうですよ、マオ様。自分もサプライズの方が面白いと思うであります。」
「全く……あなたたちは。すみません、お二人とも」
サリネ様たちが話している間に私は深呼吸を終え落ち着く。まさか昨日と同じ光景がまた繰り広げられるとは思っていなかった。
まあ、それはそうとして私は話しかけられたことに対して返事をする。
「ああ、いえ大丈夫です。ふぅ……まずは、サリネ様、マオさん、ハナさん、こんにちは」
「サリネ様方、こんにちは」
「ええ、こんにちは」
「こんにちはであります」
「こんにちはですわ」
まずは軽い会話を行う。それを済ました後私は一番肝心なことを聞く。
「えっと、それで私たちの話に交わりたいというのは……?」
「そのままの意味で、私たちもあなた方のお茶会に参加したいということですわ。」
「うぇぇぇぇぇ!?」
メリーちゃんが今日一番の大声を出した。私もなんとなく予想してたとはいえ本当に言われるとは思っておらず驚いた。……まあ、とはいえメリーちゃんのリアクションは流石にオーバーリアクションだと思うが。
「あら、ダメでしたか?」
「い、い、いぇ、別に…よ、よろしいのですが、」
「? ねぇマオ、メリーさん明らかに声が詰まってますし、やはり嫌がれていないかしら?」
「だから……!! ……はぁ、大丈夫です……、別に嫌われてませんよ……」
あまりに鈍感なサルネ様のツッコミをしようとしたマオさんがそれ言いかけてやめた。きっと言っても無駄だと判断したのだろう。その様子になんか色々と日々の苦労が見えてきて哀れに思えてくる。
そんな彼女を横目に見ながら私は私でサルネ様に疑問があるのでそれを口にする。
「あの、サルネ様。どうして私達と一緒にお茶会を?」
「あら?せっかく友人関係になった子達と交流を深めるのは当然のことでしょう。」
彼女は私にそう理由を答えてくれた。どうやらサルネ様は私たちを友達と思ってくれているらしい。それはすごく嬉しいのだが私は素直に喜べない。
それは何故か私がその答えに違和感を覚えたからだ。
しかし、別に人の良い彼女なら全然あり得る理由でおかしなことはないはずだ。
それなのに私は何かがモヤモヤしてしまう。そう、それはまるでこの話の裏に何かあるような感じの……
「あら、どうしたのかしら、マリーさん?」
「あ、いえ。なんでもないです」
そう1人で沈黙していると彼女から声をかけられた。
私はまだ違和感は持っているものの、なんの根拠もないものなのでひとまずは気のせいだと思うのことにし、誤魔化した。
「すみませんサルネ様。その、お茶会をするのはいいんですが、一体誰の家でお茶会を行うんですか?」
「あら?それはあなたの家ではダメなのかしら?」
「うちは、その…実は親が四大貴族を苦手で、できれば他のところがいいんです…」
メリーちゃんは申し訳なさそうに答える。
四大貴族が苦手なのはこの世界ではなかなか珍しい気がするが前世でも高貴な人が苦手という人を見たことがあるので1人や2人いてもおかしくはないと思う。
サルネ様はそう言われた後少し考えた。彼女ほどの権力があれば、命令1つで嫌でも行けるのにそこを無理やり行こうとしないのはやはり彼女の美徳だろう。
そして隣のマオさんに何かを話した後、何かを決めたようにこちらを向き提案をする。
「……わかりましたわ。では、わたくしのお家でお茶会をしましょう」
「「え?、うぇぇぇぇぇぇぇえ!?」」
そう私たちに話す。私とメリーちゃんはその提案があまりに予想外なもので思わず叫んでしまう。その声はさっきのものとは比べ物にならない大きさで2人の声が駐車場中に響き渡る。
だってそうだろう。その提案は四大貴族テンサンス家へのお誘いと同義なのだから。
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