第5話 残された世界

システムは停止し、スマイルマークの増殖も止まった。しかし、街は停電し、生活基盤は崩壊。大半の人々は命を失い、混乱に包まれる。

タクヤはアオイに言う。

「俺たち、本当にこれでよかったのかな?」

「わからない。でも、本物の感情を取り戻すには、この選択しかなかったんだと思う。」

達成感より罪悪感のほうが上だった。

「まぁ、とりあえず増殖も止めたことだしまた頑張っていこう。」

「うん。」

自分は誓った。犠牲になってくれた友達、そして人々のためにも人生をかけて本気で頑張る、と。


遠くの空に、かすかに残る消えかけたスマイルマークが薄く点滅していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

すまいるいんふぇくしょん @karikaricheese

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画