第8話 ドロップアイテム検証

 そしていよいよお待ちかねのアイテムドロップの検証。


「あたしはなんか軽装アーマーYタイプっていうのが出たよ? あとはレーションと部品、リペアキット」

「うちも軽装アーマーYタイプ。それとジェネレーターの設計図にレーションと部品やな」

「わたくしも軽装アーマーYタイプ。設計図がハンドガンですわね。あとはレーションと部品、リペアキットですわ」

「私は軽装アーマーYタイプ。設計図は綾乃さんと同じでハンドガン。あとレーションと部品だけですね」

「……僕は軽装アーマーYタイプ。設計図が索敵レーダー200、あとはレーションと部品」

「あたいは重装アーマーYタイプ。設計図が80ミリキャノン砲、レーションに部品、リペアキット」

「……アーマーって、今着ている防具のことですかね?」

「そうです。今着ているのはZタイプなので、上位版です」

「早速、お着替えタイム~♪ で、どうやるの?」

「頭の中で今のZタイプをアイテムボックスにしまう感じで、逆にYタイプを装備するように意識して下さい」


 そう言われて各自やってみる。アーマーが一瞬消えて、すぐに新しいアーマーが装備された。カスタマイズした色はどうやら継がれるらしい。


「なんかあたいのだけ重そうだな?」

「まあ、重装というくらいですから重いかもしれませんね」

「さて次は設計図がどうなってるかなぁ~」


 あたしは片方のCPUコアを使い設計図の状態を確認した。いちいち瞑想みたいに目を瞑らないのはホントに助かる。


「お? 片手剣の設計図が部品全部揃ってる」


 設計図の部品が全部赤く表示されており、画面端に製造ボタンが緑色に点灯している。

 あたしは頭の中でそれをポチッと押す。するとメッセージが表示された。

 『片手剣の製造が完了しました』

 どこだ? 真夕ちゃんの説明を思い出す。確かアイテムボックスに入るんだっけ?

 アイテムボックスをイメージして片手剣を取り出す。鞘も一緒についており、鞘になにか突起の様な物がある。


「なにこれ? 鞘のこのでっぱりなに?」


 その質問に真夕ちゃんが答えてくれる。


「ああ、腰や背中にマウントがあるので、そこに装着できますね」


 腰のサイドアーマーに目を向ける。鞘には凸の出っ張りがあり、アーマーには凹のくぼみがある。

 あたしは右利きなので普通に考えてみると左のサイドアーマーにはめるべきだろう。試しにはめ込んでみる。


「パチッ」


 軽い音がして、剣は腰の左側にハマった。あまりに軽い音なので、簡単に外れるのではないかと心配で引っ張ってみるが、どうやらきちんとハマっているらしい。

 剣をすらりと抜いて天にかざす。刃の部分が光を反射して輝いている。ちなみに持ち手と鞘はカスタマイズで色を変えたアーマーとお揃いで、チェリーブロッサムの色である。


「「「おお~!」」」


 周りから拍手喝采である。なんとなく誇らしい。剣という武器が騎士っぽいからかな?

 あたしは剣を鞘に納めつつ、質問する。


「みんなも設計図出たよね? どんな感じ?」

「うちのはまだやな」

「わたくしのはもう少しですわね」

「私のももう少しです」

「……僕のはあと一つ」

「あたいのは部品がちょっと多く必要みたいだな」


 みんな結構早めに部品が揃いそうである。初期の方の武器だから部品が少ないのかな?


「梓さんの索敵レーダー200とかが出来上がれば、敵を探すことや避けることも出来そうですわね?」

「そうですね」

「アイテムボックスから出せないのが、設計図だけなら、部品を梓ちゃんに渡せばいいんじゃなくて?」

「それが出来たらいいんですが、部品は番号とかないし、何を渡せばいいのか判別ができませんね」


 そう言うと真夕ちゃんは、アイテムボックスから試しに二つほど部品を出して左右の手に置いて見せた。

 両手の上にのせられた部品を見てみると、両方とも立方体である。


「これ、見た目同じですよね? でも私のハンドガンの部品で、違うところのパーツなんですよ」

「……じゃあ、あと一つドロップを待つしかないですね……」


 梓ちゃんががっかりした感じで答えた。まあ、あたしも初めて設計図が完成した時はテンションが上がったので、待ち侘びていた気持ちは分かる。


「とりあえず、先に進めばいいんじゃね? そしたらまた敵に会うだろうよ」

「そうですね」


 あたしたちは更に進み始めた。

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