自然は人間の言葉を話すわけではありません。自然災害が起こる時も、人間が自然破壊を行っている時も、その兆候が見えるだけです。自然に何が起こっているのか、言葉で代弁するのは常に人間なのかもしれません。自然と人間の関係について、考えさせられる掌編でした。短いけれど、深みのある物語です!
頭の硬い人間の傲慢さみたいなものを考えさせられる作品です。素晴らしい発想を起点としています。
身近にあるものに、別の形を与えるというのが、創作の発想の第一歩だと思う。私はこれを「脱構築」という概念に近いものだと認識している。本作はやまびこに別の形を与えている(我々が本来の形を知らないだけかもしれない)。そこから発生する展開も、無理なく飛躍していて面白い。短編だが、中〜長編に再構成しても十分に楽しめる可能性を秘めたプロットだと私は思う。その世界観を大いに楽しみました。