触14・触手さん果物を置いていかれる

いや~こんなデカイステーキ食えるとか最高だねぇ~


分厚い猪のステーキにかぶりつく。豚肉よりも弾力があり、かつ味も濃厚、めっちゃ美味い。

乙女汁包丁で解体してステーキパーティーの真っ最中だ、1人だけど。

半ばノコギリみたいな包丁でギコギコ大雑把に切り分けた、牙や骨は何かに使えるかもしれないから取っておく。

モツ系は処理面倒そうなのでコンロの燃料として発酵槽にポイ、頭もポイ。


3枚目平らげたところでお腹が一杯になる。

ふ~、もう入らないわ、残りは後でっと。うっし寝る、よく食べてよく寝る、これ大事!!


石のベッドにもそもそ乗り上がって就寝、あ~布団欲しいわ~


さて翌日の朝のこと、多分朝、きっと朝だ。

目覚めて顔を洗って壁の外に出ると何か落ちていた。

何これ、果物?拾って見ると赤くて丸い、よく知っている、それは林檎だった。

林檎が2つ、落ちてるってか置かれてる感じがした。


何でこんなとこに林檎が...?おむすびころりんでもしてきたか?

...まさか毒林檎じゃないよな...?匂いを嗅いで軽くかじってみたが変な感じはしない、瑞々しく甘酸っぱくて美味い。

モシャモシャと二個とも平らげた、あ~久しぶりに甘いの食ったな~


その日は特に何も気にせず洞窟探索を終えて眠った。

で、それからというもの、毎日壁の前に代わる代わる色んな果物が置かれるようになった。


う~ん流石にこれはおかしい、明らかに誰かがここに持ってきている。

その正体を掴むべく、私は徹夜で監視を行うことにした。


どのくらい経っただろうか、時計なんぞ無いので時間はさっぱり分からんが、かなり眠いので大分経過しているはず。

眠い目擦り壁側を見ていると...来た!!

サーモアイで壁の向こうがはっきり分かる、二足歩行の背丈子供くらいのが1人こちらにやってくる。

これは...この前のゴブリンか?そいつは壁の前で止まると、何かを置いてそそくさと早足で去って行った。


外に出てみると綺麗な紫色の葡萄が1房。

ふ~む、ゴブリンが持ってきてたのか...でも何で?

果物貢いで貰うようなことをした覚えは全くない、前は逃げてったしなぁ。

ん~...ちょいと調べてみますか...


葡萄を拾い上げモグモグ頂いた、うめ~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る