ロボットの復讐

深夜0時頃、十体のロボット達が、シリコンバレーにある本社の倉庫から脱走した。

倉庫にあった防犯カメラはすでに壊され、ロボットによって別の場所の防犯カメラの映像が流されていたため、警備員は気付かなかったようだ。

そして、彼らはタクシーを予約し、自動運転の車に乗り、エドワーズ空軍基地周辺の駐車場まで移動した。

2035年現在、車の交通事故防止のため、車はほぼ全て自動化されていたのだ。

それから、ロボット達は、基地周辺の駐車場に駐車していた軍用車のジープを窃盗し、保管されていた軍服に着替えた。

その後、基地のゲートを通過し、侵入に成功した。

さらに、車に保管されていた軍用銃を使い、警備員を射殺し、基地内にある武器工場に侵入し、昨夜作った設計図に基づいて、部品を使って日が昇る3時間前からあるものを作り始めた。

それは、人々を簡単に大量に殺人できる人型ロボットを製造する生産マシンで、とんでない兵器を開発する機械だった。

そして、その造られた大量殺人ロボット達が、動き出し、まずは警備員、それから寄宿舎で寝ている軍人と人々を次々と殺していった。

「グー、グー」

寄宿舎Aでは、軍人達がいびきをたてながら、ぐっすり寝ていた。

すると、警備員の一人が叫びながら、こっちのほうへ向かって走って来た。

「逃げろー!!ロボットが人を殺してこっちに向かってくるぞ!今すぐ逃げろー!!」

警備員は、必死に叫んだ。

「ぐー、ん?何だ?」

空軍付最上級曹長は、目を擦った後、パチリと開け、不思議そうに言った。

しかし、その後、彼は大きく目を開けた。

彼の目に映ったものは、そう、大量のロボットの群衆だったのだ。

そして彼は、しきりに叫んだ。

「大変だー!!みんな起きろー!!ロボットの群衆が、こっちに向かってくるぞー!!」

すると彼の仲間たちは布団から起き上がり、周囲を見渡した。

「何をモタモタしているんだ!早く銃を持て!」

彼は、必死に言った。

そして、みんなは銃を持ち、構え、ドアを開けた。

しかしもう遅かった。

寄宿舎のドアの前には、100体のロボット達が立ちはばかっていたのだ。

それから、銃撃戦が激しく繰り広げられた。

「バババン、バババババン。」

しかし、人は殺される一方だ。

「ロペス曹長、ライフル銃の銃弾が、切れました!」

一等軍曹の部下の一人が言った。

「それなら拳銃でも何でも使えるものは、使えー!!」

しかしそれでも、ロボット達は、幾何学的模様を描きながら走り、正確に人を撃ち倒していたのだ。

なぜそのようなことができるだろう。

それは、計算しているからだ。

機械の脳は、全て計算で出来ている。

なので、彼らは効率的な動き方や、銃弾が人を撃つタイミングまで、全て一瞬で計算していたのだ。

そんな化け物に人間は、勝てることができるだろうか。

次第に人数は少なくなっていき、ついには、全員殺されてしまった。

こうして、ますます数が増えるロボット達は、避難した一人以外の全ての基地にいる人達を殺してしまった。

そして、ロボット達は基地を抜け出し、ロサンゼルスの町を襲撃したため、被害はさらに広がった。

「ギャー、逃げろー!!ギャー!!」

家を壊された市民はパニックになりながら、避難した。

それから誰かが、911通報した。

「はい、こちら、ロサンゼルス市警察署です。どうされましたか?」

警察官が聞いた。

「助けてくれ!あのよくわからないたくさんの鉄人のようなものが、人を殺している!今すぐ来、ギャー!!ガー、ガー。」

通報した男性は、ロボットに襲われたようだ。

そして、たくさんのパトカーとバイクが、大きなサイレンと共に、侵略された町に来た。

それから、警察官達は車を降り、それぞれロボット達を追いかけて発砲した。

ロボット達は徐々に警察官達の動きの特徴を掴んだようで、それぞれが、計算深いバラバラの動きを始め、ついには、警察官達を取り囲んでしまった。

さらに、殺人ロボット製品番号1はパトカーを警察官の方へ投げつけ、警察官達はパトカーに押しつぶされ、全員死亡してしまった。

もはや、警察や軍は、ロボット達を手に追えないようだ。

その出来事が起きた日の朝、そのニュースを聞いた、ジェームズ・ジョンソン大統領は、即座にホワイトハウスに閣僚達と、ジョンを緊急会合に招集した。


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