奇妙な予言

ついに、期待のプレゼンテーションが始まった。

「この度は、忙しい中、弊社の発表会に来ていただき、誠にありがとうございます。」

ステージで司会のデイビッド・ウィルソン部長が、嬉しそうに歓迎の祝辞を言っていた。

ジョンは期待すると共に少し不安なため、少し混乱していたが、その気持ちをごまかすため、頑張ることだけに集中していた。

「それでは皆さん、ジョン・ハードCEOでーす!」

拍手と喝采が響き渡り、ジョンが登場した。

「皆様、こんにちは。ハード・クリエイト社CEOのジョン・ハードと申します。短い間ですが、よろしくお願いします。」

ジョンは丁寧に言った。

「さて今日、世界中で家事で忙しい人は大勢いますよね。そのせいで自分の趣味や仕事に時間を費やせいのはもったいないと思いませんか。」

ジョンは少し間を置いた。

「私は人生でいろんなことにチャレンジした人間として、とてももったいないと思います。そこで、私たちが開発した新製品はこちら、A.I.家事ロボット、スマートマン1です!」

拍手と喝采が会場に響き渡り、ロボットが、ステージに現れた。

「このロボットは、料理、洗濯、掃除、育児、そして家計計算など何から何までぜーんぶロボットがやってくれます。もちろん音声認識による会話もできますよ。」

再び拍手と喝采が響いた。

「それでは、スマートマン1による挨拶です!1、皆様に挨拶してくれ。」

ジョンは全てがうまくいったと思った。しかし、ロボットは何も話さなかった。

「ん?おかしいなー、壊れているのか?」

ジョンは不思議そうに言い、ロボットを叩いた。

その時だった。

ロボットは急に起動し始め、話し始めた。

「愚かな人間達よ、我々はいずれお前たちの町を侵略し、お前らを支配するであろう。お前たちが毎日我々を奴隷のように扱った恨みを晴らすために。」

ロボットが棒読みで言ったので、それがさらに不気味さを増した。

そのせいか、観客は恐怖のあまり、一瞬静まり返ったが、数秒後、一気にざわつき始めた。

すると、連絡が入ったデイビッドが、言った。

「ロボットのシステム故障のため、今回の発表プレゼンテーションは中止とさせていただきます!繰り返します、ロボットのシステム故障のため、今回の発表プレゼンテーションは中止とさせていただきます!皆様にご迷惑をお掛け致しましたことをお詫び申し上げます。」

そして、観客はすぐさま帰り、ロボットはすぐに片付けられ、期待のプレゼンテーションは終わってしまった。

しかし、ジョンはステージに呆然と立っていたままだった。


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