トール社が開発、運営管理している仮想現実世界に不法に侵入する者が現れた。多くは現実世界の犯罪者たち。現実世界での罪状から逃げるのが目的である。

犯罪者は、仮想現実世界の住人に自分のキャラクターを乗り移して、侵入する。

仮想現実世界には制約がある。

それはほぼ、現実世界と変わらない制約。秩序である。

新たな命として、生まれ変わる方法はトール社のメインコンピューターのみが実現可能である。

現実世界から仮想現実世界に入るには、すでにいる人間を乗っ取るのが一番手っ取り早い。

それには違法ハッカーにより、トール社のシステムをハッキング、またはトール社の人間による裏手引きが必要となる。

そう言った不法侵入者を見つけ出して確保、現実世界に連れ戻すには、実際に仮想現実世界へ赴く必要がある。

そのため、トール社は『ダイバー』と言うエージェントを派遣することとした。

ダイバーも、現実世界から仮想現実世界へダイブする際は、仮想現実世界の住人に自分のキャラクターを乗り移して、侵入する。

ダイバーはそれぞれ、能力に合わせて、階級分けしている。

階級は上級から順番にS、A、B、Cの4段階。

今回のエピソードで登場するダイバーは最上級のS級ダイバーである。

トール社がダイバーを派遣してまで侵入者を確保したい理由は、仮想現実世界の秩序を守るため。

また、大金を使って生まれ変わった顧客の安全を守るためである。

顧客は勝ち組人生のシナリオを歩む。侵入者はシナリオ外のイレギュラーのため、何をしでかすかわからない。

(※裏ネタ　S級ダイバー403·0965のコードナンバーの由来。

ダイバーと言えば、ダイバーズウォッチ。わたしが以前愛用していたドイツsinn社の腕時計は5000m防水のダイバーズウォッチ。そのモデル名が403。そして、シリアルナンバーが0965。そう言えば、この時計電池切れたままだな。ちなみに作者はカナヅチ)

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