第4話 ステータスの確認ですわ!


 夕食を食べ終えた後、私は部屋に入りましたわ。そして、【お優雅】さんと明日以降の動きについて話しましたわ。


『【お優雅】さん、私は明日から早速働き始めることに決めましたわ。まずは、冒険者ギルドの依頼を受けてみようと思いますわ!』


『そうだね、僕もそれでいいと思うよ。あと、一つ言い忘れていたことがあるんだけど、冒険者登録をしたときにステータスを確認せずに飛び出したよね?』


『ステータスですの?そんな話、された覚えがないですわ!』


 正直、冒険者ギルドでの記憶はあまりありませんわ。さっさと冒険者登録を済まして、早くお優雅ライフのための行動をしたくてうずうずしてましたわ。


『それはそうさ!冒険者ギルドの受付嬢さんが説明する前に、冒険者カードを奪うようにもらってそのままギルドを出てきちゃったんだから。お優雅ライフを欲するあまり、お優雅じゃない行動をしちゃったのさ!』


『うっ……次からは気をつけますわ。それで、ステータスはどこで見れるんですの?』


『ステータスオープンと念じれば見ることができるのさ!』


『分かりましたわ。ステータスオープンですわ!』



 すると、【お優雅】さんのスキルが発動したときのように、目の前に文字が浮かんできましたわ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【名前】  ソフィア・ユグレシア

【種族】  人

【性別】  ♀

【年齢】  16歳


【LV】  334 

【HP】  6760/6760

【MP】  5095/5095


【物攻】  1019

【魔攻】  1685

【物防】  1362

【魔防】  692

【俊敏】  678


【スキル】 火魔法Lv10 水魔法Lv10 風魔法Lv10 光魔法Lv10 闇魔法Lv10

状態異常無効Lv10 鑑定Lv10 調合Lv10 アイテムボックス(最大)    

【ユニークスキル】 お優雅


◆ 『ユニークスキル【お優雅】と会話をする』  本日 1/1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 私は自分のステータスを確認しましたわ。スキルについては分からなかったので、【お優雅】さんに聞くことにしましたわ。ですが、私が聞くよりも先に【お優雅】さんの方から話しかけてきましたわ。


『やっぱりソフィアは規格外だね!なんで前の世界で【ソフィア・ユグレシア絶許同盟】とかいうおかしな連中に負けたのか、全てを見ていた僕でも未だに分からないよ!』


『そうですわね、多分ですが私が面白そうだからとあの方々が用意した私専用の結界を自ら発動させたせいですわね。ただ、私の想像以上に結界の効力が強力だったのですわ。そのせいで、あの方々渾身の大魔法を耐えきることができなかったのですわ。ほら、その証拠に私の魔防は物防に比べて大分ステータスが低いですわ!』


『それでも十分凄いんだけどね。で、ソフィアが聞きたいのはスキルについてだよね!』


『そうですわ!魔法系と状態異常無効については前の世界からの引継ぎだと思っていますの。ですが、Lvとは何ですの?それに、鑑定・調合・アイテムボックス(最大)とはどのようなスキルですの?』


『たくさん質問があるね。それもそうか、いきなりスキル名だけ見せられてもよく分からないよね!よし、僕が全部説明してあげるのさ!一気に説明するから聞き逃さないようにするのさ!』


『分かりましたわ!集中して聞きますわ!』



【お優雅】さんは私の全ての質問について答えてくれましたの。そして、【お優雅】さんの話をまとめると、こんな感じですわ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【Lv】

 スキルの習熟度の指標である。

 最大10まで上昇する。

 Lvが上昇するごとに、そのスキルを使用時に使える技のレパートリーが増えたり、効果範囲や適用効果が変化する。


【鑑定】

 指定したものが何であるのかが分かるスキル。

 ものの真贋や、ポーションなどの出来栄えも見ることができる。

 Lv10になると、生物相手の鑑定も可能になる。


【調合】

 回復ポーションや状態異常を回復させる薬などを製作することができるスキル。

 Lv10になると、最高品質のものが必ず製作できる。


【アイテムボックス(最大)】

 アイテムを収納することができるスキル。

 アイテムボックスに収納したものは、収納した時点の状態で固定される。

 生物を生きたまま収納はできない。

 最大までスキルを強化すると、その容量は無限になる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 めちゃくちゃ便利なスキルばかりですわ!


 しかも、全てのスキルレベルがマックスでしたので、レベル上げをせずにスキルを最高効率で使用できますわ!


 とってもお優雅ですわ!



【お優雅】さんのスキル解説を聞いて、私は自分の所持しているスキルの便利さとお優雅さにとても感激しましたわ。ですが、私にはもう一つ【お優雅】さんに聞かなくてはならないことがありますの。


『【お優雅】さん、最後に一つだけ質問したいですわ!』


『もちろんさ!何でも聞いてくれたまえ!』


『ではお聞きしますわ、私のステータス欄の最後にある、ユニークスキル【お優雅】と会話をするとは何ですの?そして、本日1/1とはどういう意味ですの?』


『ああ、それのことかい。それはね、その文字をタップすれば僕と会話ができるようになるのさ!そして、右側の数字は僕と会話できるその日の回数を表しているのさ!』


『意味がよくわかりませんわ。今日私は【お優雅】さんと何回も会話していますわ。ですのに、回数が減っていませんわ。ということは、【お優雅】さんとは無制限に会話することができるはずですわ!』


『流石ソフィアだね、その通りさ。僕は本当はいつでもソフィアと話すことができるのさ!でも、それだと僕という存在に特別感がなくなってしまうのさ!それに、僕は何にも縛られることなく自由に生きるソフィアが好きなんだよ。だから、回数制限を付けさせてもらったのさ!今日は僕とソフィアが初めて会話した記念日だから、特別なのさ!』


『それにしては、一日一回は会話してくれますのね』


『それは僕のエゴさ。本当はずっとソフィアと話していたいのが本音さ!』



 なんとなくですが、【お優雅】さんについて理解できた気がしましたわ。そして、これからは私一人でもこの世界で生きていけるよう頑張らないといけませんわ!


『分かりましたわ、私は【お優雅】さんに頼り切りにならずにこの世界でお優雅ライフを満喫してみせますわ!』


『そうだね、その意気だよソフィア!でも、たまには僕にも構ってほしいのさ!じゃあ、僕はこの辺で失礼させてもらうのさ。おやすみ、ソフィア』



 そして、【お優雅】さんの声は聞こえなくなりましたわ。ステータス欄を確認すると、ちゃんと本日0/1に変化していましたわ。明日からは、【お優雅】さんに頼りっぱなしというわけにはいかないんですのね……少し不安ですわ。まあ、元々一人だったんですから、多分どうにかなりますわ!そんなことよりも、今日の振り返りですわ!



 今日一日を振り返ると、本当に色々なことがありましたわ。


 勇者として召喚されたと思ったら、ユニークスキルスキルが発動して王様の身ぐるみを剥いだり国民にお金を勝手に配ったり王様から逃げたりとめちゃくちゃでしたわ!


 そんなときに、そのユニークスキルの中の人とかいうよく分からないものまで出てきてもう訳がわかりませんでしたわ!


 でも、ユニークスキルの中の人改め【お優雅】さんはとても良い方でしたわ!


 そして、私はこの国での身分を得ることができましたわ!



 まだ異世界に来てからたった一日しかたっていませんのに、沢山のことがありましたわ。明日からも、きっとこのような日々が続くような気がしますの。そして、こんなドタバタな日々も楽しいと私は思いましたわ。でも、私が目指しているのはお優雅な暮らしですわ。それは、前までの私を誰も知らないこの世界でしかできない暮らしですわ!


 今のところ私の目指すお優雅ライフにはまだまだ届きそうにもありませんわ。でも、いつかきっと手に入れてみせますわ!待っていてくださいまし、私のお優雅ライフ!


 そう私は心に誓い、ベッドに潜り込みましたわ。



──


マロモカです!


ソフィアさんのステータスが判明しましたね!このステータスが、この世界ではどのようなレベルなのかは、次回ある程度判明すると思います!


因みに、ソフィアさんは前の世界では相当無茶をやらかしていました。そしてこのステータスは、それらを引き継いでいます……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る