異変
優しい風が少女の頬をくすぐる。
しばらくして少女はうめきながら体を重そうに起こした。
さらさらの黒い髪に、白と黒の制服を着ている。間違いない。『 』だ。
目をぱちぱちさせた後、慌てて周りを見まわした。
「わ、私…し、死んだの?」
周りはいろとりどりの花が咲いている花畑。
そう思うのも無理はないだろう。彼女はおろおろしてしばらく場所を離れなかった。
その時、彼女に赤い服を着た男が話しかけた。
「君、大丈夫かい?ひどく汗をかいているよ」
ハンカチをだしながらニコニコしていた。
ふっ、と獣のような目で“こちら”を見た。
軽く舌打ちをする。こちらの視線に気づいたか。今日のところは撤収だ。
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