コロシバナシ

アカシア

不満

あーっ!本当、嫌になっちゃう!


私はあずさ。高校生。

本が好きで図書委員会に入ったのに、まわりはサボってばっか、ヤンキーうじゃうじゃでまともに仕事してるの私だけ。

てっきり入ったら本好きな友達できるかなーとか思ってた私がバカだった。友達なんて入学したときからいないし、帰っても何もすることないから真面目に放課後に本棚の整理の仕事をするだけの毎日。

グラウンドからサッカー部の奇声が聞こえてくる。うるさい!と大きな声で言いたいがここは図書館。しかもそんな勇気、私にはない。


つまらない毎日。ルーティーン化された作業。

いっそのこと、学校とかサボってみようかと思うけど、やっぱり勇気は出ない。

毎日陽キャに怯えて過ごす。だから教室、学校は窮屈だ。


ため息をつきながら本を本棚へ片付ける。

本の背表紙を「読んだことある」とか、「聞いたことある」と目を通す。


ふと、目に止まる本があった。

背表紙にはなんの文字もかかれていない。

珍しいな、と思って表紙を見たけど表紙も何の文字も書かれていない。

こんな本あるんだ…

ずっしりと重厚感のある本でワインレッドの表紙に金色のツタが絡まっているデザイン。

本のデザインが私の好みで見惚れてしまう。


本のデザインから本を読む、なんて私はしたことないけど、内容がとても気になる。

題名もなにもない本。どきどきする。


ページをめくろうとした瞬間

カタカタと音がする。物と物がぶつかり合う感じの。

誰か図書館に来たのかと思いながら本に手をかけたその時だった。


ガタタ…ガコッ!

目の前に大きな影。

本棚が倒れてきている。と頭の中で考えられずに本の雪崩とともに記憶を失う。

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