ゴブリン退治と慰み者達

 バーガータウンから見て東の街道を飛んで進んでマッピングをしながら敵探知の情報をオンにする。


 すると白と赤の点が動いている。


 敵探知と言ってもこちらに敵意が無い生き物……動物とか人間含めての反応は白、逆にこちらに害があったり敵意があったりする生き物やモンスターは赤く表示される。


 とりあえず赤い点に向かって進んでみると、早速ゴブリンの群れと遭遇した。


 手には石の槍や石の斧を持ち、緑色の肌をした子供くらいの大きさのモンスター……ゴブリン達はゴブゴブと鳴き声で会話しているっぽい。


 俺は急降下して一瞬でゴブリンに近づくと手刀でゴブリンの首を跳ねる。


 何をされたか分からない頭を跳ねられたゴブリンはふらふらと数歩歩くと血を噴水のように噴き出して倒れてしまった。


 ゴブリン達は逃げるでもなく、臨戦態勢に入ったぽいが、俺は近くにいたゴブリンの顔面を掴むと、一気に地面に叩きつける。


 ゴブリンは脳挫傷を起こして痙攣しながら即死だろう。


 続いて襲ってきたゴブリンに蹴りやラリアット、顔面パンチに顎を蹴り上げたりと6体いたゴブリンを一瞬で殲滅する。


 赤い点が消えたのを確認し、転がっているゴブリンの死体から鼻をナイフでもいで麻袋に入れていく。


 鼻を取り終わったゴブリンは土魔法で土葬してしまい、鼻の入った麻袋を担いで次の場所に向かう。


 次のゴブリンは洞窟を根城にしているらしく、中に入るとギギギと言う声が聞こえてくる。


 ライトと夜目のスキルを発動させて、暗い洞窟の中を進むが、ゴブリン達の根城だったらしく、ゴブリン同士が盛り合っていた。


 俺は火炎放射で部屋全体を燃やすと、中にあった布やゴブリンの体に引火し、断末魔を上げながら黒焦げになったゴブリンが転がっていた。


「おっとと、流石に洞窟の中で火の魔法はともかく引火させると酸素を持っていかれたか……」


 俺は素早くゴブリンの黒焦げの鼻をもぐと、洞窟を土魔法で埋めてしまった。


「これで20体か……まだいるかね」


 俺は再び空を飛びながらゴブリンを探していくが、ゴブリンよりも点が大きいのを見つけ、観察してみると真っ赤な毛色をしたクマがゴブリンを食べていた。


「あー、これは不味いな……多分オークよりも強い感じがする」


 俺は再び急降下しながらクマの首に踵落としを食らわせると、赤い毛色をしたクマは首に踵(かかと)がめり込み、首が変な方向を向いて舌をベローンと出し、眼球が顔から飛び出して深海魚みたいになっていた。


「ありゃ、一撃かい」


 普通に耐えるかなと思ったけど一撃で倒すことができ、頭を手刀で切断して麻袋の中に入れる。


 体は食えば美味いかもしれないが運ぶのがめんどくさいし、まだゴブリン退治をしないといけないので土葬しておいた。


 クマの土葬をしていると雨がザアァと降り出し、俺は雨に打たれながらゴブリン探しを再開するのだった。









 洞窟や大きな木の下に隠れていたゴブリンを格闘で殺しまくり、疲れたので洞窟の中で休憩をしながら持ってきたサンドイッチを食べる。


 雨でパンがふやけているし、味がぼやけて食えなくは無いが不味く、これだったら干し肉を持ってくるんだったと思いながら、雨止まねぇかなと、洞窟から空を眺める。


 休憩に入るまでにゴブリンは50体近く殺し、麻袋には鼻とクマの頭で結構パンパンになっていた。


「ラスト1時間くらい探したら帰るか……あー風呂に入って眠りてぇ」


 俺は軽く休憩をすると、再び雨に打たれながら探索を再開した。


 するとまた洞窟に赤い点が複数と白い点が2つあることに気がついた。


 今までに無いパターンだったので、慎重に進んで行くと、俺と同じか少し若いくらいの少女達がゴブリンに慰み者にされていた。


 ……レイプ現場に出くわした俺は普通だったら目を背けそうであるが、凄く淡々とゴブリン達の首をへし折っていき、少女達を見る。


 1人の少女は手足を折られていて、腕や足が変な方向を向いていた。


 顔は恐怖と痛み、涙と鼻水……鼻血も出ていてぐちゃぐちゃだ。


 もう1人の少女はお腹から腸が飛び出し、出血もしていて凄い危険な状況だ。


 俺はそんな現場を目の前にしていても頭が冴え渡り、冷静に回復魔法をかけていく。


 上級では効率が悪いと判断した俺は30ポイントのスキルポイントを支払い、回復魔法を聖級に引き上げると全身に回復魔法をかけていく。


 腸が露出して命の危機的状況だった少女は腸が体内に戻っていき、傷口が綺麗に治っていった。


 全身についていた打撲痕だったり折れた歯等も再生していき、回復魔法がかけ終わるとすぅーすぅーと整ったリズムで呼吸をし始めて、喉に溜まっていた血をドバっと吐き出した。


 手足を折られていた少女にも回復魔法をかけると手足が正しい方向に戻り、むしり取られた髪の毛だったり、殴られて潰された鼻等も綺麗に戻っていった。


 強い回復魔法だからかちゃっかりニキビの跡とかも綺麗に治り赤ん坊みたいなぷにぷにスベスベの肌になっている。


 痛みから解放されたためかその少女も気絶してしまった。


「さてどうしたものか……」


 俺はとりあえず持ってきていたタオルを水魔法でお湯を生み出し、タオルをお湯で温めて、2人の吐瀉物や血液を拭き取ってあげた。


「体内に残った精液とかもかき出したりできねぇかな」


 そう思い、俺は子宮内に水魔法で水流し込み、お腹を軽く押してゴブリンの精液を排出してあげた。


「まぁ長い時間犯されていたなら気休めかもしれねぇけど……」


 この部屋をよく観察すると男物の衣類と頭蓋骨が3つほど転がっていたので5人パーティーだったがゴブリンの集団に襲われて敗北し、男は食われて、少女達は慰み者にされた感じかと推測する。


 少女達の服もビリビリに破かれて、腰と首辺りに僅かに布切れが残っているだけでほぼ真っ裸だ。


 町に連れて行くにしても工夫して入らないといけないなぁと考えていると、腸が飛び出ていた方の少女が目を覚ました。


「あれ……生きてる……」


「もしもし、大丈夫か? 自分の名前わかるか?」


「あ……私はパンドラ……です……あなた……が……助けて……くれたの……ですか?」


「ここのゴブリン倒して回復魔法をかけた。痛むところはあるか?」


「股が……違和感が……凄いです……」


「ゴブリンに犯されていたから水洗いした。もう一度回復魔法をかけようか」


「お願い……します……」


 俺は彼女に回復魔法をかける。


 言葉が片言になっているし、精神的ショックで上手く喋れなくなっているのかもしれない。


 あとは血を流しすぎて貧血状態か。


「うっ……」


 起き上がろうとした彼女は苦痛な声を出して体をビクン痙攣し、再び気絶してしまった。


「血が足りていない感じか……輸血……いや血液型が合って無ければ危険か」


 色々考えていたが、みるみる2人の顔色が悪くなり、白色だったのが土気色に変わってきてしまう。


「回復魔法では回復しきれない……血液が足りないだけなのか? 他に何か要因が?」


 俺はこの2人を治す方法を色々考え、スキルに良い物が無いか探したところ、眷属化というスキルがあることに気がついた。


 前まで無かったスキルだし、50ポイントもスキルポイントを取られるコストの重いスキルだが、頭がこのスキルであれば助けられるかもしれないという直感が働いた。


 俺は直感に従い、そのスキルを取るのだった。


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