ベトナム語「私は火星人です」(止まるんじゃねぇぞ……)
大学生の頃に「ベトナムの文化を学ぼう」と言う趣旨の講義があって、興味半分で受講してしまった。
実際は完全に語学の授業で、中国語より多い声調に悩まされたり、アルファベットにチョンチョンが付いていてカッコいいなぁなんて思ったり、でもやっぱり気合い不十分でやる物ではないと感じたりした。
その講義の中で「プレゼンテーション」の時間があって、二人一組でベトナム語の会話を作って発表したことがある。それだけでは面白くも何ともないのだが、その後投票で「最優秀賞」と「優秀賞」が選出され、受賞したペアには教授からベトナムのお菓子が配られた。景品があるなら話は別であり、私たちは拙いベトナム語を駆使して、何とか面白いストーリーを作ろうと苦心した。
だが、たかが半年習った程度の人間が、いきなり高度な文章を作れる訳がない。せいぜい挨拶と、簡単な疑問文程度だ。ただの会話文じゃあつまらない、けれど小洒落た文章も作れない……。
その結果出来たのが、「私は火星人です」である。ベトナム人が火星人と出くわす、という会話文を作った。何じゃそりゃ。
だが、流石に火星人を持ち出したペアは他におらず、優秀賞に選ばれてしまった。ベトナムのお菓子は珍しく、私の心に深く残っている。
あれから、ベトナム語はロクにやっていないし、習ったことも抜け落ちてしまったし、今では火星人をベトナム語で何と言うのか分からないのだが、このエピソードだけはよく覚えている。
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