第6話 孤独な日々
リハビリを経てロフストランドクラッチと装具をつけて歩けるようになり、退院の許可がで
た。
家に戻った愛理は、何日もベッドの中で過ごした。
学校に行く気力がわかなかった。
ロフストランドクラッチに頼る自分の姿を想像するだけで、胸が締め付けられた。
「私は……こんなのじゃない……。」
愛理は膝を抱えて呟いた。
足の痛みは相変わらず続いていた。家にいる間も何度も痺れが走り、動くたびに関節が悲鳴を上げるようだった。薬を飲んでも楽にはならず、その度に「もっと早く無理をやめていれば」と自分を責めた。
優也が毎日家に来るようになってからも、愛理は本音をなかなか話せなかった。
「愛理、学校に行こうぜ。」
「無理だよ……。」
優也の明るい声も、今の愛理には重荷に感じられる日があった。彼が優しければ優しいほど、自分が弱い存在だと感じた。それが嫌だった。
深夜、痛みで目を覚ました愛理はベッドから起き上がると、窓の外を眺めた。静かな月明かりが部屋を照らしていた。
「どうして……こんな体に生まれちゃったんだろう。」
思わず出た呟きに、自分でハッとした。そんな自分が情けなくて、枕を掴んで泣いた。
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