第4話 明かされた真実
病院で目を覚ました愛理は、白い天井を見つめていた。
足に包帯が巻かれ、医師から「無理をし続けたことで症状が悪化している」と告げられた。
「おそらく足は元通りにはならないでしょう。
無理をしすぎなければ進行はもっとゆっくりだったのに。
これからは車椅子や装具を使いながら、生活する必要があります。」
医師の言葉が耳に残る中、愛理の心は沈んでいた。
学校生活がこれまでと同じでいられるとは思えなかった。
何よりも、その姿をみんなに見られるのが怖かった。
病室のドアがノックされ、優也が顔をのぞかせた。
「愛理、大丈夫か?」
その声は優しくも真剣だった。
「優也……」
愛理は目をそらした。涙を見せないようにするためだったが、彼には隠しきれなかった。
「お前が倒れたとき、俺、すごく怖かった。何があったのか教えてくれないか?」
優也の真っ直ぐな目に射抜かれるような気持ちになり、愛理はためらいながらも口を開いた。
「実は……生まれつき、足が悪いんだ。」
声は震え、堰を切ったようにこれまでの苦しみを吐き出した。
「優也は幼稚園とか小学校低学年の頃、私が休みがちだったり、松葉杖を使ってたの知ってるかもだけど。
リハビリを頑張って、中学でらダンスもできるくらいになって。
高校では誰にも気づかれないくらいになれたかなーって思ってたの。
だからみんなには絶対に知られたくなかった。元気で明るいって思われていたかったのに……最近は急に痛みが酷くなって……。
でも、みんなが私を変に思うのが怖くて、ずっと無理してた。」
愛理の瞳から涙がこぼれ落ちた。これ以上隠すことはできなかった。
「こんな姿、見られたくなかったのに……。」
彼女の声は、どこか幼さが残るように弱々しかった。
「何言ってんだよ。」
優也は静かに彼女の手を握った。「お前がどんな姿でも、愛理は愛理だろ。」
その言葉に、愛理の胸が熱くなった。涙が止まらない。彼女の孤独に、ようやく光が差し込んだ気がした。
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