第3話 一日目の出来事
ウオーン
入学試験が始まると同時に森の奥から狼の遠吠えのような声と足音が聞こえた。
その獣の足音が猛スピードで近づいてくる。
受験生がその場から逃げようとした時、狼が姿を現した。
その狼はとても大きくて牙がとても鋭い。
腰を抜かしている受験生もいる。
「こんな犬俺が倒してやるぜ!」
やんちゃそうな受験生が狼に立ち向かった。
その受験生は腕を何倍もの大きさに変え、狼に殴りかかった。
攻撃は狼に当たったが、狼には一切効いていないようだ。
狼はすぐに牙で反撃し、その受験生は体が真っ二つになった。
とてもグロくて、会場は悲鳴が飛び交った。
狼は次に、腰を抜かして動けなくなっている女性の受験生に襲いかかった。
俺は最初に狼に殺された受験生のことを思い出し、もう二度とあんな光景を見たくないと思い、その女性を助けようと思った。
「
俺は拳に雷を
狼は倒れたがまだ死んではいないようだった。
女性は腰が抜けていて動けないようなのでその女性をを抱えて逃げようとしたが、すぐに狼が立ち上がり、俺に襲ってきた。
女性を抱えてたというのもあって俺は雷を使うことができなかった。
死んだと思った。
だがその時だった。
「
ある男が狼を刀で斬った。
狼は真っ二つになった。
「すぐ逃げろ」
「はい!ありがとうございます!」
助けてくれた人は、両腰に刀をさしていて男が憧れる男という感じでとてもかっこよかった。
俺は襲われそうになっていた女性を抱え、
「あーゆうとこで助けるタイプなんや」
「いや、体が勝手に動いた」
「その女タイプなんやろ?」
確かに助けた女性は黒髪ロングの美人だった。
「いや、別にそんなんじゃないし!」
休めそうなところがあったので女性をそこでおろした。
「大丈夫ですか?」
「もう大丈夫です。助けてくださって本当にありがとうございました!」
「いや、僕は何もできませんでした。なのでお礼はあの刀の人に言ってください」
「カッコつけんなやー」
「いや、あなたがいなかったら私は死んでたと思います。あなたは命の恩人です!本当にありがとうございました!」
「あ、ありがとうございます」
「何照れてんねん」
そういえば自己紹介するのを忘れてた。
「僕の名前は
「
「そんでこの男が狐白」
「よろしくー」
「え!?女の子かと思ってました」
「むちゃくちゃ男やから。てかこれからどうする?」
「寝床探すとか?」
「寝床なら洞窟はどうですか?」
確かに洞窟なら獣から身を隠せるし良さそうだ。
「じゃあさっそく洞窟を探しましょう」
探し始めてから1時間、やっと洞窟が見つかった。
「むちゃくちゃ疲れたんやけど」
「私もです!」
「じゃあさっそく中に入りましょう」
「お前も疲れたとか言えや」
洞窟に入ると焚き火のような音が聞こえた。
誰かいるのか?
洞窟を進むと少し広いところに人影が見えた。
こっそり覗いてみたが、覗いた瞬間その人と目が合った。
「え?」
そこにいたのはさっき刀で狼を倒した人だった。
「お前らここで何してる?ここは俺が見つけたところだ。出てけ」
「この洞窟広いから一緒にここにいさせてほしいです」
「ダメだ。別のところを探せ」
「あの、先ほどは私のことを助けてくれてありがとうございました!」
「礼はいらない。当たり前のことをしただけだ」
かっこいい。
俺もさっきこう言えばよかった。
「じゃあ一日だけこの洞窟で泊めさせてほしいです」
「一日だけだぞ」
「ありがとうございます!」
一日目の寝床確保。
・あとがき
数ある作品の中からヴィランズを読んでくださり本当にありがとうございます。
僕の実力不足でセリフがとても多くなってしまうので、次の話からセリフの前に、そのセリフを喋っているキャラの名前を表記させていただきます。
どうかよろしくお願いいたします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます