第4話 禁断の夜
スタジオには、すべての音が消えたかのような静寂が漂っていた。夕闇が窓から差し込み、わずかな橙色の光が二人を包む。キャロラインの肌に、ルカの視線が焼き付けられるように感じられた。
「もう一度踊ってみせてくれ。」
彼の低い声が響くたび、キャロラインの胸の奥で炎が揺らめいた。
ルカの指導はいつもよりも熱を帯びていた。彼が腰に手を添え、動きを修正するたびに、キャロラインの意識は体の反応に引き寄せられていく。
「体をもっと感じろ。君の動きは頭で考えすぎている。」
彼の手が背中を滑り、彼女の肩に触れたとき、キャロラインは自分の中で理性が揺らぐのを感じた。彼女の体は、彼の触れる熱に抗えなくなっていた。
音楽が止まり、キャロラインは大きく息を吸った。ルカはそのまま彼女の目をじっと見つめ、ゆっくりと近づいてきた。
「踊りは感覚を解放するものだ。」
彼の声が低く響く。その声に引き寄せられるように、キャロラインの心臓が早鐘を打つ。
「キャロライン……」
彼がそっと彼女の頬に手を触れた瞬間、彼女の中で理性の最後の糸が切れた。
ルカの唇が彼女の唇に触れると、キャロラインの体は震え、瞬間的に彼を受け入れた。彼のキスは最初は穏やかで、彼女を探るようだったが、次第に深く、激しくなっていく。
彼の手が彼女の背中を滑り、腰を引き寄せる。その力強さと熱に、キャロラインは息を呑んだ。彼女の体はすでに、彼の存在すべてを求めていた。
「ここでは足りない。」
ルカはそう囁くと、キャロラインの手を取り、スタジオの隅にあるソファへと導いた。
彼は彼女をソファに座らせると、ゆっくりとその目の前に膝をついた。彼の指先が彼女の足に触れると、キャロラインの体は小さく震えた。その指はトウシューズのリボンをほどき、彼女の足首を優しくなぞりながら、緊張をほぐしていく。
「君のすべてが美しい。」
ルカの声が心地よい低音で響き、キャロラインの心と体を支配していく。その指が彼女のふくらはぎから太ももにかけて上昇していくたびに、彼女の体温が高まるのを感じた。
彼が彼女の顔を見つめ、そっと囁いた。
「すべてを委ねてみてくれ。」
キャロラインは理性を失い、彼に身を任せることを選んだ。彼の唇が首筋に触れ、その熱が彼女の体中に広がっていく。彼の手が腰に回り、さらに彼女の体を引き寄せたとき、彼女はその瞬間に完全に飲み込まれた。
二人はソファに倒れ込み、その世界には二人だけしかいなかった。ルカの手がキャロラインのシャツの裾に触れ、ゆっくりと肌を露わにしていく。その手つきは焦りよりも確信に満ちており、キャロラインの体の感覚を一つ一つ丁寧に確かめるようだった。
「ここだ……君の動きと同じように、君の体も感じる。」
彼が囁き、唇で彼女の鎖骨をなぞる。その感覚に、キャロラインの体は完全に反応した。
彼の手が彼女の背中を滑り、その指が彼女の肌をなぞるたび、彼女の体は熱を帯びていった。彼女自身も、彼の体に触れることを求め、彼のシャツを脱がせた。その筋肉の感触が彼女の指先に伝わるたび、彼女は自分の欲望が抑えきれなくなっていくのを感じた。
「キャロライン……君が欲しい。」
彼が耳元で囁いた瞬間、彼女は息を荒げながら彼に囁き、さらに深く彼に身を委ねた。ルカはその言葉に応じるように、彼女をしっかりと抱きしめ、次第に動きが激しくなった。
二人の体は完全に一つになり、時間が止まったかのような感覚の中で、何度も何度もお互いの体を感じ合いながら、二人の世界に浸った。
激しい情熱の後、キャロラインはルカの腕の中で静かに息を整えていた。彼の指が彼女の髪を優しくなぞり、彼女はその感覚に安心感を覚えた。
しかし、同時に彼の目には何か影が潜んでいるのを感じた。ルカは静かに言った。
「君には知っておいてほしい。私は……この感覚に抗えない。」
キャロラインは顔を上げ、彼を見つめた。
「どういうこと……?」
「私は、人との距離を近づけすぎることで、自分を失ってしまうことがある。それが時に、相手を傷つける。」
彼の告白に、キャロラインは驚きと共に胸が締めつけられるような感覚を覚えた。それでも、彼女は彼を手放すことができないと思った。
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