1話④

玲奈と話してから自宅のマンションに帰って、自室でだらだらと勉強して過ごしていた。

前期試験が終わったとはいえ、落ちていた場合を考えて、後期試験の勉強を続けている。

今日は卒業式だったので日中は久しぶりに勉強以外の時間を過ごしてしまったが、一応まだ受験生であることに変わりはない。

だが前期試験がストレートで受かっていればこの勉強の日々ともおさらばだ。

とはいえ、今日はなんだか特に勉強に身が入らないでいた。

気乗りしないので机に向かわずベッドで寝転がりながら参考書を眺めることにした。

つい先ほど、高校生活最後の教室で過ごした時間を思い出す。

その度に参考書を閉じて、足をジタバタさせながら横にゴロゴロと転がった。

悶絶しそうになりながら、乾いた叫びをオレ以外誰もいない家に響かせる。


あぁ〜〜〜ッ、高校最後の玲奈との会話が終わってしまったぁぁぁぁぁ。

あの場にいたのが一成だったら、オレなんかよりよっぽど上手に会話を転がせてたんだろうな。

玲奈だってもっと笑ってたかもしれないし。

ずっと緊張しっぱなしで、キョドりながら喋ってるオレなんかと喋っても絶対つまらなかっただろうな。

死にてぇ〜〜〜ってほど致命的なミスを犯してもないのが、逆に「案外うまく喋れたんじゃないか」って変に過大評価してしまいそうなのがタチ悪いよなぁ。

いっそのこと完全にアウト、完敗のほうがわかりやすいといえばそうなんだよ。

こんな感じで、あの時ああすれば良かったなとか、もっとああいう話し方をすれば会話を続けられたんじゃないかとか。

思い出してもどうしようもない後悔が頭に浮かんでは消える。

それにしても。

あのときの玲奈、今まで見た中で一番可愛かったかもなぁ。

改めてそう思うぐらいには、夕焼けの逆光で輝いていた玲奈のカオを思い出すと胸のドキドキがおさまらなかった。


それから22時ぐらいになって、父が帰宅した。

「おかえり」

「ただいま。康祐、今日卒業式だったか」

「うん」

「そうか。卒業おめでとう」

「ありがとう」

家族が式に来ていた家庭では日中にした挨拶を、オレは深夜になってから遅れて済ませる。

祖父母も母もいないオレだが、かといってお父さん子というわけでもない。

オレたち男同士は、普段はそこまでベタベタしない。

良い言い方をするとさっぱりした関係、悪い言い方をすればドライといえるのかもしれないが。

だから親父とこんなやりとりをするのも、なんだかこそばゆい。

オレと簡単に話した父は、それから母さんの遺影の前に行って手をあせて黙祷した。

風呂に入る前の去り際に、目の前の母に向かって父は静かに呟いた。

「康祐も随分大きくなったもんだよなぁ・・・。そうだろう、なぁ母さん」



卒業式から数日後、第一志望の前期日程の結果発表があった。

入試当日は体調不良でもなかったし、試験中もそれなりに手応えは感じていた。

自分のレベルから圧倒的にかけ離れた志望校を受験したわけでもない。

どちらかというと地に足のついた堅実な志望校設定だったように思う。

なので大ポカをやらかしていなければ、模試やこれまでの学校の成績通りなら順当に受かっているはずだった。

にも関わらず、いざ結果を確認するとなると不安になってくる。


結果発表当日の予定時刻。

恐る恐るWebで確認する。

頼む、もうこれ以上受験勉強はしたくない。だから受かっていてくれ。

祈るような気持ちで結果発表を見てみると、無事合格していた。

やったーと叫ぶわけでも、喜びを爆発させるわけでもなく。

どこかホッとしたように胸を撫で下ろす。

試験結果とは別の楽しみについて考えると、大声で喜びを叫んでも良いのかもしれなかった。

それは「やった、これで県外で一人暮らしできる!」という気持ち。

元々父は仕事でとても忙しかったので、ほぼ一人暮らしみたいな生活を送ってきていたのだけども。

エロ本読むときとかエロサイト見てるときは流石に周りを気にしたものだ。

気にするといってもせいぜい家のドアの鍵がいつ開いて父が入ってくるか心配だ程度だったが。

でも一人暮らしになればそんな心配を一切する必要がなくなるのである。

なんてストレスフリー!


結果発表を見てから10分後ぐらいか、スマホから着信音が鳴る。

画面を確認すると一成からだった。

「康祐、どうだった?」

電話越しの声は鼻息荒く、落ち着きのないように感じられた。

「電話じゃなくてメッセージでいいだろ」

「メッセだと返信くるまでの時間、胃がキリキリするだろうがよぉ!」

「知らんがな・・・」

お前の都合なんか知ったこっちゃない、と思ったが、合格した直後なので多少の粗相には寛容でいられる。

オレは今とても穏やかな気持ちだった。

「それでそれで?お前は合格してた?」

一成は結果が気になって仕方がないようだった。

「あー・・・落ち・・・」

「落ちたのか!?」

「・・・なかった」

単に受かったと言うのも芸がないと思ったので、ふざけてみた。

「・・・びっくりさせんなアホ。それにしても、よかっ〜〜〜〜〜〜〜〜たぁぁぁぁ〜〜〜〜〜」

耳元でキンキンうるさいんだよお前。

「で、お前はどうだったんだ?一成」

「俺も無事受かってたわ!」

「そうか、そりゃ良かったよ。おめでとう」

一成もオレと同じ大学を受験するのは知っていたから、これで春からもこいつとの付き合いが続くのが確定した。

「正直英語の出来が微妙だったから、マズったかなって思ったけどさ。受験番号を3度見ぐらいしたけど、ちゃんと受かってたわ!」

「お前・・・ひょっとして自分が受かってたのを自慢したかったから、わざわざ電話かけてきたのか?」

「それもある!」

「オレが落ちてたらどうしたんだよ・・・」

「いいじゃねぇか、お互い受かってたんだし。大学でもよろしくな!」

「おう」

良いのか悪いのかはさておき、知り合いがいたほうが新生活もスムーズに送れそうなのには違いない。


さて。一成からかけてきたってことは、電話代は向こうが払うんだよな?

この際ついでに聞いちゃえ。

「1個質問があるんだけど」

「あん?」

「あいつってどこの大学に進学するのか知ってるか?」

「あいつ?」

「・・・藤島玲奈」

「お前ほんとに藤島のこと好きだなー」

卒業式の日、玲奈との二人きりの時間を過ごして本心を自覚したオレは、一成が茶化してくるのをこれまでのように否定することはできなかった。

「しらねぇよ〜」

こいつの情報網、役立たず説あるな?

「お前でも知らないってなると、誰が知ってるんだろう?」

「う〜ん、藤島のプライベートに関する話はあんまり聞かないんだよな。とりあえずクラスで藤島と一番仲良さそうだった陽キャ女子にでも聞いてみるわ」

「頼むわ」

「そんなに気になるんだったら、どこに進学するか本人に聞いて一緒に勉強すりゃ良かったのに。せっかく高3でクラス一緒だったんだからさ」

確かにそれはこいつの言う通りだった。今更言っても感はあるが。

「お前みたいにそんな上手く喋る自信ねぇよ」

「あ、そっか。お前陰キャラだもんな。じゃあしょうがねぇから、諦めろ」

事実を言われてムカついたので、そのまま電話をブツンと切った。



電話を終え、柔らかい感触のベットで寝転がり、特に時間も決めずに漫画を読み続ける。

受験勉強のために我慢していた漫画を一気読みする日々、最高だぜ。

だが漫画をパラパラ捲っても、悶々とした雑念が頭に浮かんで消えない。

玲奈はどの大学に合格したんだろう?

多分オレの大学とは違うよな、なんとなく。

オレより成績上だったし、もっと上の大学を狙ったはず。

スマホの通知音が鳴る。一成からのメッセージだった。


「他の女子にも何人か聞いてみたけど、誰もわからんっぽい」


・・・こいつの情報網、役に立たない説あるな?

オレが直接聞ければこんなことにはなってないので一成をどうこう言う資格なんてないけども。

妄想の続きに戻るとしよう。

玲奈が大学生になったらどうなるか。

高学歴の連中に囲まれて、サークルの新歓で泥酔させられ、何処の馬の骨ともわからん大学デビューしたチャラ男にテイクアウトされてしまうんだ。

そこで玲奈の純白は無惨にも散らされてしまい・・・。

その後、無計画な妊娠で大学を中退して・・・。

そんなゲスでくだらない妄想をするたびに、辛すぎて吐きそうになった。

我ながらエロ漫画の読み過ぎである。

将来は官能小説家か、エロ漫画の脚本担当にでもなるか?


元・男子高校生が普段考えるくだらない妄想を、日が変わる前の時間帯まで繰り返して悶絶しているうちに、家のドアの鍵がガチャガチャと音がした。

父が帰ってきたようだ。

結果発表の日も父は朝早くから家を出ており、家に帰ってくるのも深夜帯だった。

「ただいま」

「おかえり。親父、大学無事合格してたよ」

「!」

朗報を聞いたからか、疲れ果てていた父の目に光が戻った気がした。

「おぉ!良かった!おめでとう!」

「ありがとう」

父はいつもより適当に靴を脱いでウキウキした感じで自室に入っていった。

卒業して学校に通うこともなく1日家でダラダラしているだけのここ最近は、夕飯も一人で取ることもなく父が帰ってくるまで待っていた。

別に一人で食べてもいいのだが、すぐに食べたいってわけでもないし。

どうせまた大学が始まったら各自で食べることになるだろうし、せっかくの機会なので家族全員(我が家は二人だけだが)で夕飯を食べるのも悪くないと思っていたからだ。

父は仕事の帰りに買ってきた弁当、オレは台所に置いてあったカップ麺。

それぞれ適当に準備してテーブルで食べる。

「なぁ、康祐」

「ん?」

「合格祝いにどっか外食にでも行くか」



それから日を改めて、父の仕事が休みの日に二人で合格祝いのディナーを食べに行くことになった。

いつもなら休日でも父の予定が合わないときがあるが、今回はスムーズに日程が決まった。

この人はたまに休日でも自室に篭って仕事している時があるからな・・・。

父が運転する車に乗って、家から遠く離れたレストランに到着する。

普段なら絶対食べないようなお値段数万円のフルコース。

夜景の見えるオシャレな店、彼女とデートするのにも最適な場所に感じられた。

彼女とデート、そんな垂涎もののシチュエーションでオレがどんな妄想をしたのかは、わざわざ言う必要もないだろう。

オレは18歳でまだ酒が飲めないので、ワインの代わりにシャンパンを注文する。

父は年季の入ったっぽいワインを頼んで、一緒に乾杯。

「大人になったら康祐もこういう会合が増えるんだろうな」

「そうなのかな」

「父さんもたまに行くんだぞ、こういうところ」

軽く喋りながら、次々に出てくる料理を楽しんだ。

前菜、スープ、メインの魚料理・肉料理。

どれも普段食べてるスーパーの惣菜やコンビニ弁当なんかとは比べ物にならないくらい美味しかった。

後に続いたチーズ、果物、菓子も。

フルコースの最初から最後まで、ミネラルウォーターでさえとても美味に感じられた。

楽しい時間・幸せな時間というのはあっという間に過ぎ去っていく。

それこそ、卒業式後の玲奈と過ごした時間のように。

フルコースのすべての料理を食べ終えてから、父は高そうなワインを口に運んでから飲み干し、グラスを静かに置いた。

「なぁ、康祐。今日外食に誘ったのは、卒業・合格祝いだけじゃないんだ」

父はこれまでと違いやや真剣な面持ちで会話を切り出した。

「外食なのはいつもだろ」

今日みたいな特別な料理は別格だとしても、惣菜やコンビニの弁当も外食といえば外食だ。

「ははは、俺もお前も料理が下手だからな。母さんは上手だったけど」

「そうなんだ・・・」

母の名前を出されると、つい反応してしまう。それも父との会話で出てきたら尚更だ。

「あのな、康祐に大事な話があるんだ」

「大事な話?」

いつもと違う雰囲気の、父の声色が一層真剣なものになる。

実は借金を抱えていて、その金額がバカ高くて、大学の学費を出すのは難しいとか?

だとしたらこんな高額なフルコースで散財している場合じゃないだろう。

まるで闇金から借金まみれになってもパチンコパチスロで散財しているクズみたいな立ち回りである。

冗談はさておき、借金まみれだとしたらこんなところには来ないだろうから、その可能性はないだろう。


「康祐、お前母さんのことは覚えてるか・・・?」

また母親の話。卒業式の日以来、この話をする頻度が増えている気もしてきたな・・・。

「・・・正直あんまり覚えてない。最近ではもう、どんな声だったか思い出せなくなってきた。遺影は飾られてるからどんな顔かは忘れてないけど」

「そうか・・・」

父は悲しそうに俯いた。

声はもちろん、子供の頃に手を繋いでくれたときの表情や、高いところからオレを覗き込んだときの顔なんかも、もうぼんやりとしてほぼ忘れてしまっている。

やはり母の話になるとお互い暗い雰囲気になる。

それは無理もない、仕方のないことで。どの家庭だってこうなるだろうと想像する。

遺族の関係が真っ当であればあるほど、忘却に対して罪の意識が芽生えてくる。

少なくともオレはそう感じていた。

せっかくのオレの卒業祝い兼合格祝いなんだから、暗い話なんてやめて欲しかったと思いつつ。

その気持ち以上に、未知に対する知的好奇心の方が優ってしまっていた。

今このタイミングで母親の話を持ち出したということは。

まさか、実は隠し子がいたとか?あるいは、母親が実は生きていたとかか?

今更そんなことを言われても気持ちの整理がつかない、と身構えていたそのとき。

「父さんな、今お付き合いしてる人がいるんだ」

「・・・再婚相手ってこと?」

考えていたどのパターンでもなかったので、ポカンと呆気に取られてしまった。

よく考えたら、死んだ人間が生き返るわけもないのだから、一番現実的なパターンだったのだ。

我ながら何てアホなのだろう。

「そうだな。彼女っていう歳でもないから、再婚相手って言ったほうがいいか」

正直意外だった。

父は母にゾッコンだと思っていたから。

父が母さんの命日を忘れたことなんて一度もないどころか、仕事に行く前も遺影の前に行って話しかけるのを忘れたことなんて1日もなかったし。

それに18年間、今まで1度もこんな話は出たことがなかったから。

風俗で女遊びしていたとかって話も、少なくともオレの知る範囲では確認できていない。

「明日、康祐にも紹介しようと思うんだけど。都合は悪くないか?」

「大丈夫だよ」

受験も終わって暇だし、予定なんかなかった。

それに会いたくないと思ったとしても、オレに断る選択肢なんかない。

「親父の好きになった人って、どんなヒト?」

レストランの帰り際で聞いた最後の質問。

純粋に自分の父親が好きになった女性がどんな人なのか気になった、というのが一番の理由だが。

「父さんが通ってるカフェで知り合ったんだけどね」

父は顔を綻ばせている。

喫茶店というと、熟年のウエイトレスがイメージとして浮かんだ。

いや、もしかしたら父がゲイに目覚めて男性を連れてくる可能性も否定できない。

仮にそうだったとしても、オレはどうこういうつもりはない。

父の人生なのだから、好きにしてくれという気持ちだ。

とにかく、父が新しい恋人を誰か連れてくるらしいというのは確定事項。

いつものバカみたいな妄想は早々に切り上げる。

それから父は、とても穏やかな笑顔で続けた。

「すごく優しくて、まっすぐな人だよ」

それが父の答えだった。



翌日、父が例の再婚相手を連れてくる時刻が迫ってきた。

予定では20時半過ぎぐらいに、相手を連れて戻ってくるとのことだった。

時刻は今21時15分。

帰ってくるのが予定よりも遅れているようだった。

父はこういうとき時間にルーズなタイプなので、オレは事故にあったとか今の時点では考えてない。

オレは自室に篭って家の鍵が開くかチャイムが鳴らされるのを今か今かと待っていた。

父が再婚相手を連れてくるってだけなのに、なぜかオレのほうが緊張している。

手のひらには汗が滲んでいるのがわかった。


わなわなしていると、家のチャイムが鳴った。

反射的にその場に立ち上がり、玄関に向かって駆け出した。

勢い余ってベッドの脚に足の親指をぶつけてものすごく痛かったが、そんなことお構いなしに廊下を走っていく。

ドアを開けると父がいた。が、もう一人の姿は見えない。

このドアの向こう側にいるのだろうか。

オレと父以外の第3の人の気配を感じながら、オレは喉をごくりと鳴らす。

「康祐、紹介するよ。・・・入ってきてください」

コツコツとヒールの音がして、父の後ろにいた女性が一歩前に出る。


オレは父が連れてきた女性を見てギョッとした。

「こちらが今父さんがおつきあいさせてもらってる人」

父はオレのことなんて気にも留めず女性に一人息子を紹介する。

「こっちが息子の康祐です」

これまで見たことのない服装。

オレが見ていたのは高校で着ている制服だけだったから。

高校時代はプライベートで遊んだことは一度もないし、子供の頃こいつがどんな服を着ていたかなんてもう覚えてない。

オレが初めて見る姿。

ついこの間同じ高校を卒業したばかりなのに、随分と歳の離れた大人の女性のようにさえ錯覚した。

女の子は髪型や服装が違うだけで、こっちが受ける印象や雰囲気がまるで変わってくる。

そんな話を友人だったかテレビのニュースだったかSNSで見たような気がしたけど、本当にその通りだった。

白が基調のトレンチコート。

そこから見える色白の生脚と、黒のハイヒール。

この間まで真っ直ぐに下ろしたストレートのロングヘアだったのに、ハーフアップにした髪は、さながらお姫様のように見えた。

ちなみに高校を卒業して大学に入学する奴らにあるあるの、茶髪に染めるみたいなのはしていなかった。

髪色は染めず黒のままだった。

根暗なオレ的には完璧な判断のように思い、内心拍手喝采したくなっていたのは否めない。

根暗はやっぱり黒髪が好きだからね、茶髪は怖い怖い!

・・・いやいや、そんなことはどうでもいいんだ。

問題なぜこいつが我が家に来ているのかということだけ。

見てくれの良さに騙されてはいけない、大事なのは本質を見ることだ!

相変わらずこの女を見ると頭の中が騒がしくなってくるのだが、それを掻き消すように首を振って冷静さを取り戻した。

「・・・えっ」

ギョッとしてからずいぶん遅れて、思わずオレは素っ頓狂な声を出してしまった。

それは例えるなら、お気に入りのアイドルや声優が清楚系で売り出していたにも関わらず、突然オタク避けするために髪の毛を明るい色に染めてきたことに対して、戸惑いを隠しきれないオタクが出すような情けない声だ。

「・・・はじめまして。藤島玲奈です」

「・・・は?」

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やっぱりオレは、君を母さんとは呼べない。 りんきり @mma_stand_like0528

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