第2話 出会い
高校三年 夏
ある日、俺が三人の友達と帰っている時、白い犬が通りかかった。そこで俺は犬を見ないようにしたが、できなかった。なぜならその犬は足を引きずっていたからだ。俺は友達に「すまん、用事思い出した。先に帰って」と言い犬のいる方へ行った。
「犬さん、お名前は?」
《なんだ、人間に私の言葉なんか分かるはずないじゃないか》ヴゥー
「うん、普通の人にはわからないけど俺はわかるよ。どうして足を引きずっているの?」
《…お前本当に私の言葉が分かるのか?》ワン?
「そうだよ、わかる。だから足を引きずっている理由教えて」
《わかった。私は野良犬でね、この足はさっきお前が一緒にいた人間達が石を投げてきたんだよ。もしかしてお前もあいつらの仲間か?》ワンワンワフ?
「あいつら…友達だと思ってたのに…ありがとう犬さん。俺あいつらと友達やめる」
《そうした方がいいよ。》ワフワフ
「ねぇ、犬さん、俺の家族になってくれないか?」
《家族?お前と私がか?》ワフ?
「そうだよ、家族。ダメかな?」
《…わたしはお前が普通の人間と違うように私も他の犬と違うぞ》ワンワン
「そうだね。犬さん実はオオカミでしょ?」
《ッ‼なぜわかった⁉》ワフ⁉
「なんか神気というか雰囲気が他の犬と違う気がしたから」
《フフフ。お前面白いな。そうさ、私は神格を得たオオカミだよ。表向きは犬になっているけどね。そんな私と家族になってくれるのかい?》ワフ、ワンワンワン、ワフ?
「もちろん、よろしく。えぇーっと名前あるの?」
《さっき言った通り私は野良犬だよ。お前が名前を付けておくれ。それとそろそろお前の名前も教えてはくれないか?》ワンワンワフ?
「あっ、俺の名前は竹林 柊だ。柊って呼んで。犬さんの名前は…犬さん瞳が青いから『アオ』でどお?」
《アオ…そうか私の瞳は青かったね。改めてよろしく柊、私は今日からアオだ》ワフ…ワンワンワン
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