日本と外国

入江 涼子

第1話

 こんばんは。


 今回、日本と外国の習慣の違いで書きたくなりまして。それでエッセイもどきでやってみる事になりました。

 まず、全くの季節外れではありますが。

 日本には真夏の八月にお盆の風習があります。いわゆるご先祖様が故郷に帰り、親戚一同でお出迎えする、あの行事ですね。この季節、一家で田舎にある実家に帰省する方々が多いですが。

 当地でもそう言った人達をよく見かけます。私はお墓参りやお仏壇にお供え物をしたりするくらいですがね。


 さて、このお盆をあるボランティア団体の方が米国の某小学校にて、子供達に説明会を開きました。んで、簡単にお盆について、「日本ではお盆と言う風習がある、ご先祖様の魂が天から故郷に帰省してきて。それをお出迎えする」と言ったらしいんですね。

 そうしたら、子供達は「日本では真夏になると、あちこちからゾンビが出現するの?!」と本気で言ったとか。私、これを聞いて思いました。

 これが宗教観の違いかとね。まー、以前の短歌集にもこのネタは書きましたが。

 詳しく言うと、米国はキリスト教徒の国であり、亡くなった人の魂は天国に行きます。

 また、キリスト教では土葬が主流ですね。では、何故にお盆にゾンビとなったかと言うと。まず、亡くなった人は天国に行くと言うのに言葉を付け加えるとしたら。天国で亡くなった人は復活して、安らかに過ごせると考えているんです。

 次に、土葬なのも関係してきますね。亡くなった人が復活するには肉体が必要、だから火葬には否定的なんです。

 だから、そこを理解した上でないと説明は安易ではないでしょう。

 まあ、米国の人々にお盆をちゃんと説明するとなると。日本は仏教国で火葬が主流である事、また亡くなった人の魂は何度も六道の世界を巡るとか。

 ここまで詳しくは言わずとも、日本には成仏の概念があり、キリスト教みたいに復活ではなくて。亡くなった人は魂の状態で故郷に帰るのだとか言ったら、ちょっとは理解できると思います。

 

 お盆はアジア圏特有の行事なのは確かですね。本来は盂蘭盆会うらぼんえと言われていて、仏教の行事になります。

 由来としては昔に、お釈迦様の弟子で千里眼を持つお坊さんがいました。お坊さんはある時に亡くなったお母さんがどうしているか、気になります。

 そこで千里眼を使い、あの世での様子を見ました。そうしたら、お母さんは地獄に落ちて逆さまに吊り上げられ、辛い目にあわされていたのです。

 これを見てお坊さんは慌てました。また、可哀想にもなり、お釈迦様に相談します。

 お釈迦様は話を聞き、こう教え諭しました。


「そなたのお母様が地獄に落ちてしまったのは供養をちゃんとしていなかったからだ、食べ物などをお供えして。供養をして差し上げなさい」


「分かりました」


 お坊さんは頷き、お礼を述べます。


 後に、お母さんにお供え物をして供養もしました。すると、お母さんは地獄から浄土に行く事が出来たとか。お坊さんは毎年、これを繰り返すようになります。

 この事から盂蘭盆会が生まれ、日本にも伝わりました。いわゆる現代のお盆へと徐々に定着していったのです。


 こう言う話も米国の子供達に説明してあげたら、分かりやすいかも?と思いましたが。

 それでは失礼します。

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日本と外国 入江 涼子 @irie05

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