第2話 

翌朝、また校門で偶然出くわした。なんとなく目が赤く光った気がした。


じっと見つめられた。


私は一番仲の良い千沙を校舎裏に呼び出して昨日のことを全て話した。当然嘘だと思われた。


「そんなわけないでしょ、どうしたの?急に。」


「だから、はぁ、平原君が…」


「ほんとに大丈夫?保健室行く?」


汗だくになりながら喋っていたらしい。そりゃそうだ。こんな話信じるほうがおかしい。


「ごめん。さっきから私変だよね。聞いてくれてありがとう。」


この場は別れた。


――――


放課後、なぜか教室に残った。


「えっと、何するんだっけ?」


とりあえず課題を進めようとノートを出した。


「血、吸わせて。」


席の前に平原君がいた。


「え、え?」


「お願い。ねずみだけだと死んじゃうの。」

「チクっとするだけだから。」


左腕を口のほうに運び、人差し指を咥えた。


「え、ちょっ…」


指先に痛みが走った。

ストローみたいに吸っている。飲むのに合わせて喉仏が動く。そのときの平原君は嬉しそうな顔をしていた。


「ありがとう」


満足したら吸うのをやめてどこかへ消えた。机には鉄分チャージのゼリードリンクが置かれていた。


―――――


私は何をされたのだろう。クラスの男子に指を吸われた。奇妙だ。不快感はなかった。


帰り道、指先の傷をじっと見る。血を押し出してみた。不思議なことにあまり痛くないのに血が大量に出てきた。

吸ってみたら、ちょっとおいしい気がした。

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吸血鬼転校生は私の血が吸いたい 白藍そら @soramamenoyume

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