第2話
さてさて、私は今痛みに悶絶して、床を転げ回っているところです。なんでこうなったか?じゃあもうちょっと戻りましょうか。
「おばさんー?おばさんー?ねえ、またイロハがまた転んだから、手当してあげて!」
と、ネモが私の家?をどんどん叩いて問いかける。ええっとねぇ、ネモ、あなたが私の家の扉を叩くのはいいんだよ?そういう遠慮のない子私好きだよ?でもね、もう少し優しくしてくれないかな?もうなんかさ、私の家朽ちかけてるじゃん。ね?そろそろ扉が壊れそうで怖いよ、ネモ。
ドサッ。
「あー、おばさん、ごめんー!扉倒れちゃったー。」
ごめんで済んだら警察いらねえわ!あ、異世界だから警察なかったりして。
「あらまあ、いいわよぉ。すぐ直るからー。別に扉があろうかなかろうかあんまり変わらないわよねぇー。」
楓ぇ、どうしよう。私さ、ここに住める気がしないよ。目を向けると、同情の目を向けられた。くっそーーー!
「で?イロハ、また怪我したの?ほら、こっち来て。」
フツーの一般人!って感じの母親に連れられて、家の中に入る。ねえ楓、この家物置にしか見えないんだけど?ねえ楓、この家私の__紅葉の部屋の四分の一もないんだけど。ふつーに考えてちっちゃくね、、、?母親が黄ばんでる壺の中から水をひしゃくですくって私の膝にバシャバシャとかける。あれ?こういう人たちって水もったいないんじゃなかったっけ?
「あらま、水無くなっちゃった。イロハ、ちょっと汲んで来てくれる?」
ごめんなさいお母さん!私イロハじゃなくて紅葉なんです!湖がどこにあるか知りません!
「お母さん、どっから汲んで来るんだっけ、、、?」
息を呑んでお母さんの言葉を待つ。もしかするとここでバレちゃうかもしれないからね!
「あらまあ、忘れちゃったの?イロハはほんと忘れっぽいわねえ。こっちこっち。忘れっぽいの、早く直るといいね。」
イロハ、ほんっとありがとう!!あんたが忘れっぽかったから、私バレずに済みそうです!
「はい、ここで水を汲むのよ。」
家の裏手に回って、少し進むと湖があった。あれ?こんなに近いの?もしかしてこの家、結構良かったりして?
「ほらイロハ、汲んだら帰るよ。ちょっと重い?大丈夫?」
「大丈夫!」
家に戻ると、お母さんが変な箱とレモン汁みたいな色の液体が入った箱を持ってくる。そしてお母さんが私の膝にレモン汁みたいな色の液体をかけて____今に至ります。
「お母さん、痛い!イタタタタ!」
お母さんは変な箱から雑巾?的なのを取り出している。
「あらまあ、ちょっとかけすぎちゃったかしら?でも大丈夫よ。アグリュームの汁はとってもよく効くからね。大丈夫大丈夫!」
大丈夫じゃなーいっ!お母さんは雑巾で床を拭いている。床拭くんならあんなにバシャバシャ水かけんなっつーの!
「あ、そろそろ効いてきたかしら?」
気になって膝を見てみると、傷が塞がっていくのが見えた。うわあ、そりゃそうだよね。異世界だもんね。でも、すっごい!もう痛くも痒くもないや!まあでも、元々痒くはないんだけどね!
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