第10話 初めての失敗
ある日、りおが「あゆみちゃん、お茶!」と言いながらマグカップを手にしてキッチンにやってきた。
「待って、持たなくていいよ。」
そう言う間もなく、マグカップが手から滑り落ち、床に派手な音を立てて割れた。
「わっ……ごめんなさい……。」
りおが泣きそうな顔をしているのを見て、あゆみはすぐに「大丈夫だよ」と言おうとした。
けれど、心の中に小さな苛立ちが生まれていた。
「だから、危ないって言ったでしょ。」
その言葉を口にしてしまった瞬間、りおの目に涙が溜まり始めた。
「……ごめんなさい。」
泣き出したりおを見て、あゆみは自分の言葉の重さに気づいた。
急いで「大丈夫、大丈夫。私が悪かったね」と抱きしめたが、彼女の胸には小さな罪悪感が残った。
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