第三章: 感情の揺れ

第12話 静かな衝突

「ねえ、あゆみちゃん、これ見て!」


れんがリビングで積み木を積み上げながら、得意げに声を上げた。


「すごいね!こんなに高く積めるなんて!」


あゆみは心から感心した声を出したが、同時に小さな違和感を覚えた。


「これならパパにも勝てるよね!」とれんが続ける。その言葉に、どこか「認めてほしい」という必死さが感じられるのだ。


あゆみは笑顔を保ちながら「そうだね!」と答えたが、その胸の内では、どう応えていいのか分からない戸惑いが渦巻いていた。

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