さらば、焼きそば
タカハシU太
愛と哀しみの焼きそば
「焼いていないのに焼きそば~、焼いていないのに焼きそば~~~」
今、私は口ずさみながら、カップ焼きそばの外装フィルムを剥がし、フタを開封していた。
「あああっっっ、間違えた!」
付属の液体ソースを、お湯を注ぐ前に入れてしまったのだ。
だが、うろたえることはない。市販の中濃ソースのボトルを冷蔵庫から取り出した。これで無事解決。
お湯を注いで、待つこと三分。いや、お腹を満たすには、もっと水分を含ませたほうがいい。五分が過ぎて、ついに我慢できなくなり、流し台で湯を切った。
「あああっっっ、間違えた!」
湯切り口ではなく、開け口から湯を捨ててしまったのだ。
焼きそばも一緒に流れ出ていき、排水溝の中に消えていった。
(了)
さらば、焼きそば タカハシU太 @toiletman10
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。