第7話
新しいアパートは不動産屋さんの言う通り、何気にそれらしい感じはあった。
階段を上がって2階に到着したとたんに、視線をバシバシ感じてしまう。部屋に入っても自分以外の存在がいるような気がする。
夜中に水道の蛇口が緩みピタンピタンと音がしたり、朝にコップが割れていたり。どこからともなくシクシクと泣き声が聞こえたり、物の配置が変わってたり、いきなりフフフと笑い声が聞こえたりもした。
これは確かに、まともな人にはたまらないだろう。
怖いのは怖い
いや、怖いけど……。
私の今の状況を思うと、そんな事は言ってられないのが本音だ。
首を絞められるわけじゃないし。
夜中起こされるわけじゃないし。
恨まれてるわけじゃないし。
金縛りにも合わないし。
気が散ってうるさいけれど、とりあえす身体的被害がないのでこのままでいこう。自分の感覚がマヒしている気がするのが1番怖いけど、まぁ、まずは職探しあるのみ。頑張ろう!
私は自宅では気が散るので近くのカフェに足を伸ばし、スマホでリクルートサイトを開き情報を得たり、ハローワークに通ったり、昔の友人を頼ったりして毎日歩き回っていた。
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