自分の実績(ドメインパワー)がなければアクセス増は「難しい」

また身も蓋もないですが、無名作者や無名作品は、原則として読まれません。


もう少し正確にいうなら、見付けてもらえません。


そこに作品の質はあまり介入できず、ゆえに粗製濫造のような状況が度々起こるのです。


この創作論の性質上仕方がないのですが、ここまでSEOと小説の話がごちゃ混ぜ気味だったので、今一度「SEO技術を小説に応用するだけ」というコンセプトをはっきりさせましょう。


【目次】

・SEOでのドメインパワーとは

・ドメインパワーをカクヨムでの作品投稿に当てはめると?

・私のもうひとつの創作論での事例

・ドメインパワーがなくても上位掲載を狙えるか?


●SEOでのドメインパワーとは


端的にいえば、サイトそのもののGoogle上での強さ(上位掲載のされやすさ)の数値です。


Googleによる測定基準は複雑かつ非公開のものが多く、実際には読者のクリックや文章の内容、どこから(誰から)リンクされたかなど多岐に渡ります。


この辺の詳細に関しては私の今の勉強不足と、今回の記事の冗長化を避けるため省略します。


とにかく、Googleでは、原則としてドメインパワーをつけることが上位(検索結果1ページ目)掲載争いの「土俵」に立つ前提です。


また、ドメインパワーとは「サイトそのものの強さ」であり、記事自体についたパワーではありません。


したがって、ある程度のパワーがついたドメインを中古品のように買い取り、Google的に有利な状況から自分のサイトを開設する商売もあります。


【例】

比較的実績のあるレビューサイトを買い取る→元あった記事をすべて消す→自分のコンテンツに置き換える


なお「ドメインパワー チェック」でググると測定ツールがいくつか見つかるので、気になる方は導入してみましょう。


●ドメインパワーをカクヨムでの作品投稿に当てはめると?


Google的なドメインパワーとしては、恐らくカクヨム作品は「カクヨムのドメインパワー」そのものに埋まるはずです。


このため、まずはGoogleではなくカクヨムでのパワーを自分、あるいは自作品につける必要があります。


一方で、カクヨムには更新情報のトップページ掲載や自主企画など、誰でも瞬間的に上位掲載される要素があります。


もっとも、誰でもということは条件はイーブンなので「露出機会は多いが、成果は低い」と見るべきでしょう。


以前ご紹介した、ビッグワードとスモールワードの関係に近いかもしれません。


したがって、ライバル作品へのアドバンテージを取るには★評価やランキング入りが重要なのでしょう。


ただ、SEO記事にあってカクヨムにないものとして「記事の賞味期限」があります。


Googleでは常に新しい情報を優遇し、古い記事を後回しにする性質もあるので、同じテーマの記事でも短期スパンのアップデートを求められます。


余談ですが、SEOで日付を入れる際、その用途がなんであれ、せいぜい年月までに留めるのが基本です。

(※2024年12月時点の情報)


2024年2月22日とまで入れてしまうと、最新情報のつもりでなくても、Googleのロボットに拾われて「古い記事だ」と見なされるリスクになります。


●わたしのもうひとつの創作論での事例


私が長らく更新し続けてきた創作論「脱落小説書きのゆるーい創作与太話」を例に見ていきます。


長期に渡り、鳴かず飛ばずで、10,000アクセス到達に要した時間は2年半強です。


日単位としても、アクセス数0が何日も続くことはザラでした。


大体、私の小説作品も、伸びてそこ止まりのレベルでした。


しかし、15,000アクセスを超えたあたりから、日間のアクセスが緩やかに延びてきました。


現在は30,000に到達し、何もしなくても10~20前後/日のアクセスがコンスタントに出ています。


色んな方からの★評価を頂き、それがカクヨムのトップページ掲載になり、何度かカテゴリのランキングにも入りました。


また「正欲(朝井リョウ)」や「全ジャンル最強キャラクター」などのキーワードがたまたまSEO効果をもたらしたようです。


これらが「作品そのもの」への実績となり、目先の10,000アクセスしかなかった頃よりも「目に見えない長期的なパワー」が身に付いたのだと思われます。


ただし「偶然のアクセス増加」は長期的には損でもあるので、一喜一憂しないようにしましょう。


●ドメインパワーがなくても上位掲載は狙えるか


確実ではないにしても、充分に狙えます。


実際、私でもディレクターと専門家の適切な監修を受けて、新規開設サイトで上位を取れました。

(新規開設ということは、実績がゼロのはず=ドメインパワーが皆無)


考えられる要因としては、扱いの難しい医療系記事だった点かもしれません。


まず医療系記事は、サイトオーナーから末端ライターまでの関係者すべてが薬機法を把握している必要があり、敷居が高いです。

(対応が悪質な場合、逮捕者も出ます)


したがって、需要の高さに対して、ライバルの絶対数は少ないはずです。


また、Google的にもこうした医療や金融など、人生にクリティカルなリスクを伴う情報には権威性をきつく要求します。


この仕事の場合、医療機関など専門家のサイトにブログ記事を設置し、監修してもらうことで権威性を担保していました。


●まとめ


以上が「元々有名でないと伸びない」現状の構造ではないかと思います。


ただ、戦略を正しく理解すれば覆す余地があるので悲観する必要もありません。


私の創作論の例でも述べましたが、今ある目先のアクセス数に対して、日々の長期的なアクセスやパワーは目に見えません。

(特に、カクヨムではカクヨム全体のドメインパワーでしか測定できないはずなので)


とにかく、短期と長期、両方の視点から成果を見るようにしましょう。

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