伝説の名は本当のようです
「時間になるまで森で勉強してても良い?」
「良いがお前の結果は伝えるぞ?」
「分かった」
俺が森で勉強したいと言うと今回の結果母達に言うのが条件で了承された。
俺はルリ達と森に戻った。
「まさか薬場ギルドに登録できるとはな」
「主の力なら当然だな」
「ヒースイの力だけどな」
「キュー」
そんな事ないと言っているが何故俺にそこまで言ってくれるんだと不思議な顔をした。
「キュー」
どうやら、スライムだからと話を聞かずに倒す人が多い中ちゃんと思いやっている心で信頼したらしい。俺からしたら普通だがな。
「主からしたら普通でもそれを出来る人は中々居ないのだよ」
ルリもそう言った。
魔法の練習しないとな。
そうして俺はルリと達と魔法の練習をした。
「まずは炎からだな」
「フレイ!」
両手で両手より少し大きい炎が出てそれを放ったので森が焼けている。
「やばいな、ウォーターボール」
水魔法で両手で先程のフレイと同じぐらいの大きさのボールのような形の水で炎を消した。だが木が数本倒れた。
「は!?」
「流石は主、もの凄い力だな」
「キュー!」
スイ達も褒めてくれた。
「これを姉貴に使うから手加減しないとな」
「何故だ?」
「いや、本気ですると怪我させるだろ?」
俺が見た感じだと初級のフレイやウォーターボールでさえこの威力なんだ。
「優しいのだな」
「いや、ちゃんとした勝負じゃないんだから怪我さしたら可哀想だろ?」
後から何を言われるか分からないからな。
他にも色々試したがどれも強すぎると言ったところだ。
そして夕方になりそろそろ家に行こうとした。
「もちろん我らも行くぞ!」
「キュー!」
スイ達やヒースイもやる気だ。まぁ従物だから良いか。
そして俺たちは家に向かった。
すると皆もう家の前に立っていた。
「辞めるのなら今のうちよ?」
「喧嘩は嫌だからやめて欲しいわねぇ」
いきなり言ってきた姉の一言に母は心配をする。
「この勝負はどちらかが降参するか俺たちがこれ以上無理だと思ったら終わる!」
「分かった」
「ふん!強がっちゃって!」
俺が了承するも姉は勝てる気だ。
「2人とも頑張って!」
リンカは応援している。
「よし!」
俺が準備していると母が聞いてきた。
「テイマーなのに従物は使わないの?」
「スイは戦い方はまだ知らないしルリはやり過ぎるからなぁ」
「戦い方を知らないってたいした事ないわね」
今日テイムしたばっかりだから仕方ないだろ。
「キュー!」
スイも俺と同じ気持ちだ。そしてスイも戦いたいみたいだ。
「ならやるか」
「なんでスライムなのよ!そこの魔物とやらせなさい!」
姉はルリを指した。
「主、1人で余裕だろうから我は支援に徹する『ウォン!』」
「支援?」
「うるさいわよ、フレイ!」
両手だが片手ぐらいの大きさの炎が放たれた。とりあえずは炎を消すか。
「ウィンダー」
俺は風魔法で風を起こした。
「きゃあ!」
フレイは一瞬にして消えて姉も一緒に倒れた。
「ウィンダーって初級だよな?」
「そのはずよ」
「何で初級でこんな風が起こせるんだ?」
「分からないわよ!聞いた話でも少しの風を起こせるぐらいよ」
「だよな、片手なのに横にいる俺達も吹き飛ばされそうになってるし謎だな」
父と母は会話していた。
ルリの支援でこんな威力になるのか。
「まだまだよ!」
姉は構えた。
「ウィンダー!」
俺のウィンダーより大幅に小さい風が吹いた。これ炎にするとやばいよな。
「ウォーターボール!」
先程練習で出したのより少し大きい。片手なのに両手より大きいてやはり、流石ルリだな。
ウィンダーによる風は消えて姉が水浸しになっていた。
さっき練習した時に両手だと森の半分は壊せそうな勢いだったからな。片手にして正解だな。
「ルリ、良い支援だ!」
「何のこれしき!『ウォン!』」
ルリの支援無しでも倒せた気はするな。
「どう言う事だ?」
「ルリは本来は支援型なんだよ」
「嘘おっしゃい!昨日は私の魔法直ぐに消したじゃない!」
父の質問に答えるが姉が昨日の事を言った。
「普通に戦っても強いがルリは支援が得意なんだ」
「流石はゴールドフェンリルねぇ」
母は感心していた。
これはルリに聞いた話だ。元々ゴールドフェンリルは支援型だ。しかし伝説なので長年生きている。その中で接近戦や遠戦も覚えたのだ。
「でも、ずるね!」
「何でだ?」
姉はずるというが俺は意味が分からない。
「魔物の力なんて、自分の力で戦いなさいよ!」
テイマーが言われるあるあるだ。
「それがテイマーの力だからコハクの力と同じだぞ?」
「そうよ?」
父と母はそう言うが姉は納得していない様子だ。
「魔物の力無しじゃないとコハクの実力が分からないじゃない」
確かにそうだなルリの支援は約2倍ある。支援無しでも両手でそれより少し大きいのに片手で両手の支援無しより大きいのは流石に強すぎるからな。
「分かった、その勝負も呑むよ」
俺は了承した。
姉のエリカはまだ気づいていない。この言い訳のせいで自分が惨めな思いをするのは……
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