クロは限りなくシロに染まる
刑事部屋に戻って来た面々は沈痛な面持ちで鳥刑事の報告を聞いていた。
「これで振り出しに戻りですね」と石原刑事。
「だからこそ西村警部が“クロ”だとはっきりしたがな」との渡警部の言葉に谷山警部補が答える。
「はい、西村警部はマル暴のバッジの特殊な留め具と酷似した……それこそ鑑識でしか分からない様な物をわざわざ現場に残したと思われます。それは我々に対する意趣返しです。『自分ならへまはしない』と言う……しかも甲府駅で切符も見つかり、駅員も西村警部の顔を覚えていた。となると……」
「やはり逮捕状は無理なのでしょうか……西村警部は不用意な証拠は残さない……」と鳥刑事。
一同、沈黙が続く……
その沈黙を破ったのは腕組みをして考えを巡らせていた谷山警部補だった。
「係長! 私は柴門の勘に賭けてみたいのですが……」
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