不確かなアリバイ
取調室、谷山警部補と西村警部が対峙している。
「まあ、娘の月命日の日に殺されたとあっては益々疑われるのは無理ねえがな」
「もし、あなたがおやりになるとすれば、月命日にそんな事はしないと?……しかしその日、休暇を取ってらっしゃいますよね?」
「ウチの墓は甲府の山の中だ、休暇を取らなきゃ墓参には行けねえよ」
「当日のあなたのアリバイは証明できますか?」
「無理だな! 墓参の後、実家に修繕も兼ねて一泊したが誰にも会わなかったしな。待てよ……」
そう言いながら西村警部は懐から手帳を取り出した。
「新宿駅で偶然、トメと言うタレコミ屋に会ってな! ある男の電話番号を聞いたんだ。 手帳はちょうどカバンの中でな、取りあえず切符の裏に書き留めた。これがその番号だ! 運が良ければ甲府駅にこの電話番号が書かれた切符が残っているかもしれねえな」
「その番号、メモを取らせてもらっていいですか?」
「構わんよ!せいぜい“支店”の底力って奴を発揮してくれ!」
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