繁華街に落とされた留め具
江藤が殺害された現場近くを柴門刑事、鳥刑事、篠崎刑事の三人が隈なく捜索している。
―と、鳥刑事が何か見つけた様だ。
「篠崎さん!見てください!」
鳥刑事が手渡したのはバッジの留め具でちょっと変わった形をしている。
「これは……
「ええ、おそらく。バッジ本体も見つかれば確実ですが……とにかく鑑識に回します。うまくいけば逮捕状の請求も……」
「う~ん そうなれば西村警部を勾留できるが……」
柴門は早速、近くにあった赤電話から署に電話を掛ける。
「係長! 証拠が上がりました!! マル暴のピンバッジの留め具です! これは西村警部が現場に居た事の証明になります!!」
しかし、渡警部は冷静沈着に柴門を諭す。
「柴門! まだ何を証明された訳じゃない!! 今一度全神経を現場に集中しろ、目だけじゃない! 聞こえて来る会話や音にまでもだ!!」
「分かりました!」
受話器を置くと、ふんわりと揚げ物の匂いがする。
振り返ると『とんかつ
ちょうど男が二人出て来た。
「ゴマダレかつ丼!たった一日の命だったな!」
「いくら老舗でもあの冒険は行き過ぎだ……」
その会話に柴門は、石原刑事の会話を思い出していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます