第9話 子猫の世話
私は朝になると、近くにあるホームセンターのペットコーナーに行き、子猫用の粉末ミルクを買い、まだ息があった2匹の子猫にミルクを与えた。
マナミと死んだ子猫2匹については、ペットの葬儀屋に火葬してもらい、遺骨は粉砕した。粉砕した遺骨の一部はシリカと混ぜてガラス化し、残りは海に散骨した。
工学部の河村先生の研究室には、骨を粉砕するためのボール・ミルや高温溶融炉がある。その上、河村先生は、小型ながらボートを持っている。
愛描のマナミとその2匹の子猫を火葬してもらった後の処理は、河村研の協力を得て、すべて自分で行った。
マナミが産んだ二匹の子猫を実家に連れて帰った時、黒いオスの子猫は、妹にすり寄った。
子猫がひどく小さかったためであろうか、妹はその黒猫が気に入ったようで、
「お兄ちゃん、この子、私に頂戴」
と言った。
私は妹に、オスの黒い子猫を上げた。
妹はその子猫に、「ジジ」という名前をつけて育て始めた。
私はマナミによく似ている三毛の子猫に「樹(いつき)」という名前をつけて、アパートで育て始めた。
子猫に異変が見られたのは、その三か月後であった。
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