第2話 窓

 ドンッ!!


 住宅街に何かがぶつかった鈍い音が響いた。


 住宅街のある家の庭にチュンが転がっていた。


 チュンの目の前には窓ガラスがある。


 チュンは窓ガラスに追突したのだ。


 チュンは地面に転がって気絶していて動かない。


 しばらく経って、やっとチュンは何が起きたか分からない様子で辺りを見渡しながら動き出した。


 チュンは近くの木に止まりぶつかった窓を見た。


 なんだあれは?


 チュンは勿論、窓を知らない、だから彼の目には何か見えないものがあるとしかわからないのだ。


 なにかある? ただあの影で羽を休めようと飛んで行っただけなのに。


 危うく逝ってしまうところだった。


 というのもチュンの心臓は今飛んでどこかに行ってしまいそうなほどにバクバクと脈打っていた。


 まあいい、それはいい、生きているのだから。


 それよりも、あそこには何があるんだ?


 チュンは恐る恐る窓に近付いた。


 そして窓をくちばしで突ついた


 コツコツと音が鳴るではないか!

 何かあるのか? いやきっとあるのだろう!


 チュンはコツコツと鳴る音が面白くなり、全てを忘れて少しの間嘴で突ついていた。


 はっ!? なんだ、突然全てを忘れて・・・・・・


 その時だった、チュンは気付いたのだ、目の前に仲間がいるという事に。


 チュンは窓に映る自分を仲間だと勘違いした。


 チュンは目を見開き驚いて飛び跳ねながら一歩下がった。


 ここは一体・・・!?


 チュンは何かまずいところにいるのではないかと訝しんだ。


 まて、待つんだ、まず本当にここに仲間はいるのか、見間違えかもしれない。


 チュンは一歩近付いて目の前の何かをまじまじと見た。


 そしてまた飛び跳ねて一歩下がった。


 いる、いる! 悲しそうな顔をしてこっちをまじまじと見つめていた、目まで合ってしまった!


 チュンは何か爆弾でも見つけてしまったような気持ちになった。


 ここはなんだ、いや、きっとここは私の仲間、スズメたちを捕らえて監禁しているところに違いない。


 聞いたことがある、人間という生き物は私たちスズメを食べるとどこかで聞いた。


 そう思い立った途端に、チュンは飛び跳ね飛び立ち近くの木の中に隠れた。


 逃げよう・・・・・・。


 チュンは仲間の顔を思い出した。


 逃げられない、いくら一匹狼を貫いている私でも、仲間は仲間、見捨てることはできない。


 そうだ、仲間、他の仲間に助けを呼ぶのだ!


 チュンは飛び立ち仲間を呼びにいった。


 だがチュンには仲間を見つけることができなかった。


 そして寝たら忘れてしまうのだった。

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チュンの見解 熊は手を煮込んだ @469MA969ma

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