第3話 2日目
起床の時間を告げるアラームを止め、支給された装備へと着替える
昨日の作業で抽出した装備らしい
よく分からないがそういうものなのだろうと自身を納得させて出社する
今日から新しく新人が入ってくる
少し楽しみな気持ちと同情の気持ちを抱えながら待つ
すると早速新人がセフィラに連れられて入ってきた
…パッと見だと分からないが、背丈と身体付きを見るに同性だろうか?
そう思考していると見つめ過ぎたのか話しかけられた
「はじめまして〜!僕はフェリシア、これからよろしくお願いしますね、先輩さん」
そう無邪気な笑顔を見せながら挨拶する新人
「あぁ、俺はセラだ。先輩と言っても昨日入社したばっかりだがよろしくな」
軽い自己紹介と挨拶が終わり早速業務開始のアナウンスが鳴り、作業へ向かう
新しいアブノーマリティも増えたようだがまだ作業指示は出ない為今日も罪善さんの作業室へ向かう
…思ってたより怖くない気がしてきたな
最初は不気味だったがこちらへ手出ししてくる訳じゃないからだろうか
メインルームへ戻るとフェリシアもどうやら罪善さんの作業指示が出たようで作業室へ向かった
フェリシアside
今日からL社って所で働く事になった
先輩のセラさんも昨日入社したばっかりらしい
セラさんが何度目かの作業を終えて戻って来ると僕にも作業指示が出た
罪善さん?って先輩は言ってた気がする
“見た目はちょっとアレだけど大丈夫だ“って
収容室に入ると先輩が言ってた事に納得した
僕は全然可愛いと思う見た目だと思うけど…
まぁ、感性の違いってやつかな?
とりあえずこの作業を終わらせてメインルームに戻ろ〜っと
フェリシアが作業から戻って来た
作業が上手くいったのか上機嫌な様子だと思っていると
「罪善さんって可愛い見た目ですね!」
…??…可愛い?アレが?
正直困惑した
アレが可愛いってどんな感性してんだコイツ…
……まぁ…感性は人それぞれだもんな…うん…
そう思っていると不意に収容違反の警報が鳴った
初めての事に身構えつつ戸惑っているとメインルームの扉が開き、小さな鳥?が入ってきた
周りのオフィサー達が騒ぎ出す
コレは管理人が言っていた新しいアブノーマリティだろうか?
何故そんなに騒いでいるのだろう…と思っているとその小鳥に頭を突かれる
思っていたより痛く、少し血が出てしまった
フェリシアも2、3度突かれ出血している
その後鳥は収容室へと戻って行ったようだ
頭に痛みがあるがしばらくすると出血も痛みも無くなった
これもメインルームの効果とやらだろうか…?
不思議な体験だ
どうやらその鳥は“罰鳥“というらしい
回復した後、罰鳥への作業指示が出た為収容室へ向かったが作業中にも何度か突かれ、出血しながらメインルームへ戻るとフェリシアに心配された
その後、フェリシアにも作業指示が出ると心底嫌そうな顔をしながら作業へ向かっており不謹慎かもしれないがクスッと笑ってしまった
案の定戻ってきたフェリシアは出血し不機嫌そうに戻って来ては愚痴をこぼした
業務終了のアナウンスが鳴る
今日は罰鳥に突かれて散々だった…
そうこぼしながらフェリシアと共に寮へ帰る
彼なりのささやかな罰鳥への嫌がらせなのかその日の夕飯は鶏肉料理だった
……とても美味しかった事は2人の秘密である
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