第九話『2069:マン・イン・ザ・ミラー』
〉〉〉二〇六九年 〉〉〉
だだっ広く、陰気な部屋。
クイーンサイズのベッドの枕元に、アンティークの箱型ナイトテーブル。テーブルを覆うようにして、男が、猫背で膝立ちしている。その上には白い柱を
一つ、床。
やや光沢のある床の、何か大きくて重いもの——それは恐らくベッドである——が引きずられてできたと思われる傷跡が、傷がない箇所とは異なる光の反射率のせいで、悪目立ちしている。
二つ、
壁の下部、端から端に細長く伸びる幅木は、刃物で彫られたできた白っぽい
三つ、
姿見に写った男の肩が、小刻みに揺れる。揺れるのは、男が、ナイトテーブル上に残されたごく
文字の左右が
文字の
紙面をよく見ると、ところどころ、黒く
紙とインクは、それを見る者に、このように示している。
俺は今、あの日の夜、
この、元三の内面がありありと反映されたものが、紛れもなく、元三自身の自殺を
〉〉〉第十話『2069:再会』へ〉〉〉
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