第一話『2XXX:迫り来る未来人』
殺風景な部屋。
窓からの夕日によって所々何かしらの黒い影をのさばらせている床には、極めて薄いガラスのパネルのようなものが数枚、無造作に散りばめられている。それらのほとんどは、劣化によりぐにゃりと
そう、床に散らばるのは、今や当たり前の存在となった
記事の見出しは、
〈快挙!
床にあるのは、太陽新聞だけではない。他にあるのは、二脚の向かい合った丸い椅子。いずれも木製で、切り株のような、円柱型をしている。丸椅子の片方のそばには、大きめの靴を履いた二つの足、おそらくサイズからして男性の足、が見えるのだが、もう一方のそばに見える足、こちらも男の足のようだが……偶然なのか向かいの足二つと同じ大きく"NIKE"の文字が入った靴を履いており、しかも足は一つだけしか見当たらない。左足だけである。足が欠けているわけではなく……右脚は、左脚の上に組まれていて、見えなかっただけだ。組まれていた右脚が降りてきたかと思うと、二本の脚は、丸椅子のそばを離れる。二本の脚が、部屋の中を、歩き出した。
歩みは、翼でも生えているのかと思うくらいに、不気味なほどに、無音である。
そして……
虹色の刃が、獲物の腹を今にも
〈〈〈 第二話『2049:過去を巡りて』へ〈〈〈
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