第8話

ハナは何度も何度も俺と、トラとババァに、自分をイジメていた3人組を見る。



葛藤してるのが手に取るようにわかる。



ずっと、俺やトラの言うことをきいていたハナ。



自分で判断するのは初めてのこと。



悩むな、と言う方が無理だ。



気のすむまで考えればいいさ。



俺とトラは椅子に座った。



長時間も見込んで。



ババァはハナの前に立ち、3人組は居心地が悪そうにババァの後ろに立っている。




出ていくとなっても今は仕事もある。


ドン底ではないからなんとかなる。



3人で居られれば俺はそれでいい。




ハナが最後にもう一度、俺達を見た。



俺と同じ、黄金の瞳が鈍く光る。



強い意志を宿して。




どうやら決まったようだな。



俺達は立ち上がりハナの側へ。



それでもどこか不安そうなハナの頭を撫でてやると、ニッコリと笑った。



そして俺の手に触れ、トラの手にも触れると




「ハナも頑張るっ」




鼻息荒くそう言うと、ババァを通り越して3人組の元へ。




「なっ、なんだよ!?」



「おまっ、お前なんてなっ」



「こここここ怖くないぞっ」





なんだ、コイツら。


ドモりながら憎まれ口を叩いてもカッコ悪いだけなのがわかんねぇのか?




俺とトラは呆れ、ババァは「コラッ、謝らないかっ」と3人組を怒ってる。




ハナはその憎まれ口にはいっさい応えず、3人組の顔を一人ずつしっかり見て…



















「ごめんなさい」






深々と頭を下げたー。

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