第7話
ビクビクしながらこっちに来る3人組。
トラはもう眼中にないのか全くそっちの方は見ない。
ハナはグゥルルーッと獣のように唸りながら3人組を睨んでいる。
「ケンカ両成敗だ。どっちも謝り」
「ヤダッ!!」
ハナが叫ぶ。
鬼のような形相で、黄金の瞳に涙を溜めて。
ハナを泣かすんじゃねぇよ、ババァと食ってかかりたいところだが我慢。
これもハナの成長のためだ。
ココの……教会の教えは悪くない。
理想論だが。
ドップリ"外"に染まっている俺達にはもう無理だけど、ハナは。
ハナには。
"力"を持ってるハナには余計に。
人に優しく、傷つけることなかれ。
人に寄り添い、人を愛せーー。
「ハナ」
「っっ」
ババァが静かにハナを呼ぶ。
その迫力に、息を飲むハナ。
「最初にハナを傷つけたのはコイツらで悪い。でもそれを暴力で返したハナも悪いんだ。アイツらを先に謝らせるから、アンタ達も」
「ハナは悪くない!!」
「なら出て行きな」
「「「っっ」」」
「すぐ暴力に訴える子は、この教会には置いておけない」
誰かが大怪我をし、取り返しのつかなくなる前に……
「出ていきなさい」
ハナが、どうしたらいいのかと俺とトラを見てくる。
俺達二人は顔を見合わせ笑う。
答えは決まっている。
そして
「ハナの好きなように」
選ぶのはお前だ。
どんな答えでも、俺とトラはお前と一緒だ。
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