第2話
レオside
ババァの紹介で見つかった仕事を終えて、トラと二人教会に帰っていれば、もう少しって所で教会がワーワーと騒がしい。
「なんだろう?」
「さぁな」
「ハナだったりして」
トラは冗談のつもりで言ったんだろうが。
「「…………」」
さもありなん。
ハナなら。
俺とトラは騒ぎの元まで走った。
結果。
ハナだった。
理由はババァにもわからないらしいが、ハナVSハナと同い年ぐらいのガキどもと殴りあいのケンカだったらしい。
"力"を使ったわけではないことに安心したが、その肝心のハナの姿が何処にもない。
「ババァ、ハナは?」
「シスターと呼べっつってんだろうが、クソガキ。ハナは何処かに走って行っちまって……」
「あー……」
予想していたトラがそんな声を上げる。
「悪いが、あたしはこの子達を泣き止ませて話を聞かなきゃならない。レオ、トラ、ハナを捜してきてくれないかい?」
「はいよ」
軽く返事をして歩き出す。
ハナの居場所は最初からわかってる。
俺達のお気に入りの場所だ。
最近、ハナの笑顔が減ったと思ったが、コイツらのせいだったのか?
泣きじゃくる3人を見る。
3人とも男。
ほっぺにはクッキリとハナの手形らしきものがついてる。
情けないな、男がビービー泣くんじゃねぇよ。
トラなんかなぁ……
「お?トラ?」
隣を歩いていたトラが居ない。
周りを見回すと、いつの間にか泣いてるガキどもの後ろへ。
そして
ドスッ!!ドスッ!!ドスッ!!
続けざまガキどもの尻にキック。
力の入った良い蹴りだった。
あれは痛い。
「「「ぎゃあーーーーーーーーーーっ!!」」」
「ブハッ!!」
「コラーッッ!!トラ!!」
吹き出す俺の元へトラが帰ってくる。
「……なんかムカついたから」
「良くやった」
笑って拳を差し出せば、それにゴチッと自分の拳を合わせたトラも笑う。
そうして俺らは向かった。
ハナの元へ。
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